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「ハイ、着いたよ。」
「…階段で降ろしてくれても良かったのに。」
「だってキミ、降ろしたら帰るだろう？」
…それは、まあ。
60kmを超えるコースの後、これまた長い階段を登り切った先に広がっていたのは湿原地帯。
ヌメーレ湿原と呼ばれるここは、試験官であるサトツさん曰く『詐欺師のねぐら』。ちなみに騙されると死ぬらしい。
これまた面倒そうだとため息を吐いた時、サトツさんを嘘吐き呼ばわりする人間が現れた。
怪我を負ったその人は、どうやらサトツさんがこの湿原に生息する生き物であり、私たち受験生をエサにするつもりだと声高らかに謳った。
どっちでもいいから帰りたいなぁとぼんやり湿原地帯を眺めていれば、六枚のトランプカードが飛ぶ。
隣に立っていたヒソカが投げたそれは、片方が受け止められ、もう片方は命を奪う。
偽物はその身体を鳥に啄まれ、サトツさんはその手に持ったトランプを投げ捨てる。
そしてヒソカを軽く注意し、試験がようやく開始した。
「…ヒソカ。」
「気づいてるさ。巻き込まれたくなければ、先に行っていてくれて構わないよ♣︎」
「ゴール地点はわかるの？」
「ああ♦︎『彼』にお願いしてるから。」
走り出してしばらく、私達の…いや、ヒソカの周りで怪しい動きをする受験者が数名。
その不穏な空気に隣を見上げれば、非常に楽しそうな笑みを浮かべている。
「イイ子で待っていておくれ。」
「…お先に。」
淡いピンク色のスカートを両手でたくし上げ、脚を速める。
足がぬかるみに取られる前に地を蹴り、先頭を目指す。
微かに伝わるどよめきは、先ほどまで一切やる気のなかった私が素早く駆け始めたからだろうか。
濃い霧でもサトツさんの背がはっきりと見えるところをキープする。
徐々に背後で響き渡る悲鳴が多くなっていく。その中に聞き覚えのあるものが混じった瞬間、振り向きそうになったが堪える。
この先頭集団にいるであろう、変装がバレたくない人物に気づかれる事は避けたかった。
それに、あの悲鳴の持ち主はちょっとやそっとでは死ぬ可能性はない。
「…そんな姿になってたとはね。」
不幸中の幸いは、この先頭集団の誰が私の知る人物かわかった事だろう。
例の悲鳴に真っ先に振り返った彼は、私の想像以上にヤバい変装をしていた。
怖…なんで変装するにしてもそんな姿を選んだんだか……。
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甘夏蜜柑(プロフ) - 故に、主人公は周りとは違う料理を作って合格、という流れになっております。こちらの回答でご納得頂けましたでしょうか？ (2021年11月2日 0時) (
レス) id: 1b56a79d5d (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます。注意書きにも書いてありますが、この小説は『新アニメ版』に沿って書かせていただいています。新アニ版では、『指定食材は豚・用意された調理器具を用いる』以外に条件はありません。(続きます) (2021年11月2日 0時) (レス) id: 1b56a79d5d (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - コメント失礼致します。h×h見たことありますか？試験で出た課題は豚の丸焼きだから皆豚の丸焼きを持っていったんです。豚の丸焼きしか出来ないからではありません。これでは主人公だけ不合格です。 (2021年10月30日 14時) (レス) @page5 id: ad9804768a (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - きなこマカロニさん» ありがとうございます笑 (2021年9月24日 1時) (レス) id: 1b56a79d5d (このIDを非表示/違反報告)
きなこマカロニ - コメント失礼します！自給自足って大切ですよね((好きすぎます、是非とも妄想を詰め込んじゃってください！！ (2021年9月23日 20時) (レス) id: 4314947012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2021年9月18日 16時
