【刀剣乱舞】かの瞳は雄弁に語る。 (ページ41)

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四十一柱ページ41

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条件があると言った彼が提示した内容は、こうだ。

母屋に、私が顕現した刀剣男士をむやみやたらに近づけないこと。

また、会いたいものがいる場合にはこんのすけを通じて知らせ、母屋の刀剣男士が許可を取ること。

母屋の刀剣男士に内番や出陣を強制しないこと。

母屋の刀剣男士が手入れを申し出た際には、拒否しないこと。

理不尽ではない限り、母屋の刀剣男士の要求に応えること。

「…庭はいかがなさいますか？」

「内番を回すのに刀剣男士が出られないんじゃ、何も出来ないだろ。そこまでは言わないさ」

「こちらの刀剣男士と関わらないというのは、」

「何も完全に関わるなと言っているわけじゃない。こちらが嫌がっている時に無理強いをされないための保険だ」

…予想外と言ってもいいほどに、理不尽なものがないな。

心の中で条件を反芻し、意外に思う。

が、これでいいと言われているのだから、頷かない手はない。

「わかりました。契約書はご用意いたしますか？」

「仮にも神前での契り、破ればなんらかの罰が下るだろう」

「…では、今の時点で手入れをご希望なさる方がいらっしゃいましたら、明日、本日と同じ時間に手入部屋までご足労お願い致します」

ではこれにて、と最後に頭を下げる。

それから、ゆっくりと立ち上がった。

三日月様が、襖を開けてくださったので、先に出る。

振り返り、一礼をしたところでまたしても彼が襖を閉めてくださった。

「さて、離れはどこだったかな？」

「ご案内いたします」

…とても今更だけど、この方は離れまでついてくる気か。

というか、もしや離れで生活する気か…？

そんな疑問を持ちながら、母屋を出た。

そして、玄関の戸に手を当てる。

「…ほう」

何をやろうとしているのか、三日月様には分かったのだろう。

私は、手の平から霊力を送り込む。

母屋は、ひどく空気が悪かった。

はじめ、それは掃除をしてないせいだと思っていたが、恐らく違う。

通された広間の前の廊下のずっと奥の方から、腐臭にも近い悪臭が漂っていた。

審神者の死体は政府が回収したと言っていたので、あんな臭いがするのは異常だ。

破れた障子や、床の亀裂が治っていくのをみながら、息を吐く。

じわりと冷や汗が米神を伝ったところで、手を離した。

…今は、これが限界か。

霊力さえあれば大体解決できると気づいたのは、池を元に戻した時。

と言っても、私にはまだまだ霊力が足りないようだ。