四柱 ページ4
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私の当たり前の言葉に、肯首する柏木さん。
「しかも、直々に人間に手をお貸しくださっている神様なんでしょう?」
「ええ、その通りです」
「…そんな神様に無体を働く様な人間を、時の政府はどうして使っているんですか?」
人手が足りない?
審神者の適正?
そんなものしか注視しないのであれば、きっと時の政府は気でも狂っているのだろう。
あまりにも博打が過ぎる賭け事だと、私は思う。
「神様は、人間とは格が違う。…たとえ、従える事ができたとしても。そんなことも理解せずに神様を使役しているなら時の政府は恐らく、」
「A様。その先の言葉は口に出すことの無いようにお願い申し上げます」
暗に政府の破滅を示唆すれば、困った様な笑みを向けられた。
この人のにっこりとした笑み以外を、初めて見る。
「摘発には尽力しておりますが、数も多く、隠蔽も巧みなのでございます。こちらとしても、刀剣男士様方のお怒りを買うことは本意でないのですが」
「上辺だけでも、そう言っていただけて安心しました」
「…おや、もう間も無く相模国支部へ着く様です」
本丸を分類する『国』は21国あり、それぞれに本丸と繋がっている支部があるらしい。
本部はその21国の支部に囲まれる様にして立っているそうだ。
そして、私の所属する『国』は相模国というらしい。
「支部へ着きましたら、ゲートを利用し本丸へ移動していただきます。それ以降は本丸にいる管狐に色々お聞きください」
緩やかに車が失速する。
どうやら、相模国支部とやらについた様だ。
車のカーテンがゆっくりと開いていく。
場所を特定されぬ為のカーテンだったのだろうと、今気づいた。
その辺の大型のデパートよりも大きそうな建物が目の前に現れる。
周りを走っているのは、今乗っている車と同じものだけだ。
…世界が違う、みたいだ。
技術も遥かに進歩しているみたいだしね。
余談だが、先程柏木さんが言っていた『管狐』という物はアンドロイドだと言う。
パソコンのパワーポイントの表紙に載っていた隈取りされた狐、『こんのすけ』。
あれは管狐と言って、マスコットと言うよりも実際に作られたアンドロイドだそうだ。
1匹あたり、いくつか担当の本丸を持ち、政府の人間が気付けない様な細やかなサポートを行ってくれるそうだ。
あと、誠に信じられないが…喋るらしい。
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2019年4月10日 21時