【刀剣乱舞】かの瞳は雄弁に語る。 (ページ24)

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二十四柱ページ24

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「…え、これもはやラメグリッター入ってる…？」

思わずそう呟いてしまうほどにバケツの中はギラッギラに輝いていた。

反射的に自ら引き抜いた手を伝う水も、馬鹿みたいに光っている。

もしや、と柄杓で少量を掬い、畑の端の方に垂らしてみた。

すると、乾ききっていた土が水を含んだところから広がるようにしっとりとした土に変わる。

ほんの少しの量だったのに、3分の1の畑が変わってしまった。

やり過ぎ、か？

表情には出さないが呆然と目の前をみる。

「うわぁ…」

小さな感嘆の声が聞こえてきた。

ゆっくりと振り返れば、障子から覗いていた影が瞬時に引っ込む。

今日も見ていたのかと思いながら、身体の向きを直す。

障子の向こうでもし私の視線に怯えているのなら、可哀想なことをしてしまったと思いながら。

柄杓で水を一度だけ撒く。

そうすれば、残りの3分の2の畑も湿った色に変わった。

それを確認して用意しておいた鍬を手に持つ。

バケツの水をどうするか考えながら、ひたすらに鍬を振るう。

「審神者様ー！昨日は私め、途中から記憶が…」

「厩の藁の中で寝てたよ」

「な、なんと…！大変申し訳ございません…」

半分ほど終わったかと思った時、こんのすけが駆け寄ってくる。

焦ったように謝る狐に、怒ってないことを告げた。

「それにしても…この水はなんですか！？」

「作れてしまった…と言えばいいのか」

「これはもう、種を蒔いて水をかけるだけで収穫できてしまいますぞ！」

「…え、そんなヤバい水作ったの？」

「はい、ヤバい水でございます！」

まいったな…種は用意してないし、なにより何を植えるか決まっていない。

そんな私の雰囲気を読んだのか、こんのすけは池に流してみてはどうかと提案する。

「まさか、復活するなんて言わないよね？」

「恐らくそのまさかでございますよ！やってみましょう！」

本丸が素の状態に戻り始めたことを嬉しく思っているのか、ぴょんぴょんと跳ねながら池に向かうこんのすけを追う。

池はやはり濁っていて、死んだ鯉が浮き上がっている。

このまま流してみろと言われたので、渋々バケツ2杯分の水を流し入れた。

「…マジかよ」

透き通った池の水、活き活きと泳ぐ数匹の錦鯉。

顔が引きつりそうになるほどには、驚いた。

そして、またしても背後の方で感嘆の声が聞こえてきたが、今度は振り向かなかった。