死柄木 弔@調教型 ページ20
．
「A、今日はいい子にできたか？」
暗闇に包まれた空間に、一筋の光が差し込む。
ジャラ…と鳴る金属音は、私の首輪から繋がる鎖が擦れた音。
目を焼く光に目を細めて、私は両手を強く握った。
「…ああ、ダメだなあ。また暴れたのか？」
悠々と近づいて来た彼は、赤い瞳を弓なりに象って私に手を伸ばした。
枷のつく首をくすぐる様に撫でて、私の右手を掴む。
その指は中指と小指だけ少し浮かせる様な、独特な持ち方だ。
「血が出てる…あまり傷はつけるなって言ったはずだぜ？」
ひび割れた唇が、少し不機嫌そうに歪む。
「…して、」
「あ？」
「離して、と言ったのよ」
少し、声が震えてしまったかもしれない。
目の前のこの男は、酷く嬉しそうな表情をしたから。
「ックク、いいねぇ、A。やっぱりお前は最高だ」
枷を外そうともがいたせいで爪の剥がれた指先。
血の滲むそれを、彼は…死柄木は嬉々として口に含む。
「それこそ、調教しがいのあるってもんだ」
「…アンタなんかに手懐けられるかしら？」
「そーいう割には、結構堪えてるみたいだなあ？」
彼の瞳に映る私は、酷い顔をしているものだ。
怯え、怒り、恐怖、葛藤、悔恨の色が見事に入り混じっている。
それはきっと、死柄木を喜ばせる物だと、理解はしている。
「っは、冗談」
「相も変わらず減らない口だ」
愉しいねぇ、と彼は心底楽しそうに笑って私に口付けた。
虚を突かれた私は一瞬固まるが、即座に歯を立てる。
「ってて、噛み付くんじゃねぇよ。ったく、まだ時間は掛かるか」
血の滲む唇を親指の腹で拭った死柄木は、やれやれと言った風に肩を竦める。
それから、ゆっくりと立ち上がって地べたに座り込んでいる私を見下ろす。
「まあ、焦ることはないか。お前はもう俺のものだしなあ」
「っだれが、」
「っと、シツケはちゃんとしないとな」
食ってかかる様に身体を乗り出すが、首が一瞬で閉まる。
死柄木の手にある鎖が引かれ、繋がっていた枷が引っ張られたからだ。
「っぐ、ぅ…っ」
「おいおい、そんな怯えたような目で見るなよ。俺はAの強気なトコを買ったんだぜ？」
首の周りが擦れる痛みが伝わり、生理的な涙が滲む。
それでも、目の前の男を睨むのはやめなかった。
「そうだ、お前はそうやっているのが似合ってるよ、A」
あと何日お前は保つだろうな？
そんな死柄木の喜色を乗せた問いに、唇を噛み締めた。
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零桜 - B組の鱗くんの無害（依存型）が見てみたいです！できれば中国語も少し入れてくれませんか､､､？ (8月3日 13時) (
レス) @page22 id: 181796d377 (このIDを非表示/違反報告)
ワァ！ - オリジン組の人達の奴(個人の奴も)が見てみたいデス！ (2021年4月28日 6時) (レス) id: 2c479952a6 (このIDを非表示/違反報告)
闇空 - (笑うところ)ってところで本当にわらったらマイパピーからメッチャ心配されましたwwww (2020年4月1日 19時) (レス) id: b30251e94a (このIDを非表示/違反報告)
黄(コウ)(プロフ) - ねじれさんがあることに感動してしまって涙が出てきました。ねじれさんの作品だとかとっても少ないし、こうして短編集でねじれさんが出てくることがあんまりないきがして…。最高でした！ (2019年12月30日 13時) (レス) id: 535205595b (このIDを非表示/違反報告)
BT21 - リクエストでオバホールで調教見てみたいです本当にできたらでいいんでお願いします (2019年5月10日 19時) (レス) id: e3d4fbe2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年9月19日 16時
