爆豪派閥@調教型 ページ13
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「…おねがい、もぅ、ゆるして…!」
真っ暗な視界、縛られた両手、こめかみを伝う冷や汗、目隠しが吸いきれなくなった涙。
前か後ろかも分からず、私は震える唇を無理やり動かして言葉を紡ぐ。
「わ、わたしが、わるかった、から、ねえ、おねがい、おねがいだからはずしてよ…ぉ…っ」
人は使えていた五感を奪われると酷く動揺し、恐怖心を煽られる。
その中でも視覚を閉ざされると言うものは、自分が暗闇の中に取り残されているように感じ、私の精神を容赦なく削っていく。
さらには、先ほどまで話していた4人の声が一つも聞こえてこないとなると、その消耗具合は拍車をかけて酷くなった。
「めかくしだけでいいから、ねぇ…!」
物音、身じろぎの音一つ聞こえなくなったことに、これ以上ないほどに血の気が引く。
まさか、4人は部屋をでてしまったのだろうか……私を置いて。
「…か、つき、でんき、えーじろ、はんたぁ…ねぇ、いるんでしょぉ…?」
カタカタと体が震える…今の私には、独りよりも怖いものなんてなかった。
ああ、どうしよう、なにも聞こえない、誰もいない。
ああ、ああ、怖い、恐い、こわい、嫌だ、恐い、怖いこわいこわいこわい…!
無意識に舌を伸ばし、歯をつきたてようとしていた。
恐怖を無くすために、死のうとしたのだ。
グッと力を込めて、ブツ、と鈍い音がした直後。
鉄の味が口内に広がるとともに、目を焼く勢いで入り込んだ光。
「あーあ、やり過ぎじゃねぇ?」
「ぅお、ベロ完全に穴空いちまってんな」
「もーいーよな、手の方外すぞ?」
呆れたように言葉を零す範太に、少し眉を寄せた鋭児郎。
腕の拘束を外してくれたのは電気だった。
「反省できたんか?」
部屋にあるベットに腰掛け、私を見据えるのは勝己。
その言葉にコクコクと頷く。
「二度と逃げ出そうと思うんじゃねぇぞ。そうだな、次は舌も噛み切れねぇようにして放って置いてやる」
「しない、しないから、」
「お、えれーじゃねーか」
勝己の言葉にすぐ肯定を返せば、鋭児郎はにっこりと笑って私の頭を撫でる。
電気は擦れて血の出た手首を消毒してくれて、範太は水を手渡してくれる。
…ああ、お仕置きタイムが終わった。
「…A、もう二度と俺に逆らうなよ?」
勝己はそう言って私の頰をするりとひと撫でして、満足そうに笑った。
オールマイト、イレイザー・ヘッド、プレゼント・マイク→←尾白 猿尾
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零桜 - B組の鱗くんの無害(依存型)が見てみたいです!できれば中国語も少し入れてくれませんか、、、? (8月3日 13時) (レス) @page22 id: 181796d377 (このIDを非表示/違反報告)
ワァ! - オリジン組の人達の奴(個人の奴も)が見てみたいデス! (2021年4月28日 6時) (レス) id: 2c479952a6 (このIDを非表示/違反報告)
闇空 - (笑うところ)ってところで本当にわらったらマイパピーからメッチャ心配されましたwwww (2020年4月1日 19時) (レス) id: b30251e94a (このIDを非表示/違反報告)
黄(コウ)(プロフ) - ねじれさんがあることに感動してしまって涙が出てきました。ねじれさんの作品だとかとっても少ないし、こうして短編集でねじれさんが出てくることがあんまりないきがして…。最高でした! (2019年12月30日 13時) (レス) id: 535205595b (このIDを非表示/違反報告)
BT21 - リクエストでオバホールで調教見てみたいです本当にできたらでいいんでお願いします (2019年5月10日 19時) (レス) id: e3d4fbe2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2018年9月19日 16時