この世界線で、何かが始まろうとしている話。�� ページ32
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「＿＿＿っ、ふ、はは」
「Aちゃん…？」
思わず、と言ったように笑い声を零した私に、三つの視線が集まった。
目が覚めたので、ゆっくりと起き上がると自分にかけられている毛布に気づいたのでそれは退かさずに膝にかけたままにする。
「世界の救世主と、人殺しが付き合うわけないでしょうに」
＿＿＿＿＿一つ、言い訳を聞いてほしい。
この時、私は寝惚けていたのだ。
更に付け加えて言うならば、先程まで見ていた夢の所為だ。
秀一と零の懺悔を、後悔を聞き。
スコッチの死んだ姿を見て、心臓が握り潰されたような気分を味わったのだ。
自分のして来たことへの戒めを目一杯施そうと思った瞬間だったのだ。
だから＿＿＿＿＿。
だから、そんなに泣かないで欲しい。お願いだから。
私が翠川さんを救った意味がなくなってしまうから。
「…なんでそんなに私のことで泣いてくれるの」
「…お前が、大切だからだよ」
そう言った降谷さんは、私に手を伸ばす。
一瞬迷って、私はその手を取った。
濡れてひんやりと冷たいのは、氷を削っていたからだろうか。
「唯も、赤井も…俺も、お前が大切なんだよ」
物分かりの悪い子どもに言い聞かせるように、彼はそう言った。
「なあ、頼むから俺たちの気持ちだけは否定するな」
「、そん、なつもりは…」
「俺は、罪の意識を無くすなとも言わない。自分を責めるなとも言わない。ただ、一人だけで苦しむようなことはしないでくれ」
…それじゃ、前の君たちと一緒じゃないか。
私は、それを無くそうとして動いたのに、私がする側になってどうする。
「言ったよな、Aは。俺と赤井の悔恨を無くそうとしてくれたんだと。唯を助けて、俺たちが笑っていられるようにしてくれたんだと」
「そ、れは…私、の、勝手で、」
「なら、俺の勝手だ。お前が心から生きていて良かったと…これからも生きていたいと思ってくれるように動く。今度は、俺の番だ」
「ちげーよゼロ」
「俺『たち』の番、だろう？」
「…そうだな。俺と唯と赤井の勝手だ」
繋いだ手は、いつのまにか冷たさがかき消えてじんわりと温もりを持っていた。
「苦しいのなら、俺たちに吐き出してくれ」
「命救われたんだ、そんなもん迷惑でもなんでもねぇよ」
「キミの苦しみを取り払うためなら、惜しむものはないさ」
穏やかな笑みを浮かべる三人に、私は思わず苦笑を浮かべた。
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さち - おもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年5月22日 0時) (
レス) id: 43b8d3401a (このIDを非表示/違反報告)
Blanche*(プロフ) - 思わず泣いてしまった....... 続きが気になります!! 無理のない範囲で頑張って下さい!!!!!! 応援しております!!!!!! (2019年5月21日 22時) (レス) id: 5327bf9003 (このIDを非表示/違反報告)
ナシ(プロフ) - コメント失礼します！おもしろいし、感動して何度も泣いてしまいました。続き気になります！更新頑張ってください！！ (2019年5月21日 18時) (レス) id: 9c83a487c9 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - めっちゃ面白いです！！ほんとに！！更新楽しみにしてます！ (2019年4月4日 14時) (レス) id: cb719f86c6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 大好きで何回も何回も読み直してます！！更新待ってます！！ (2018年9月27日 7時) (レス) id: cb719f86c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年3月24日 0時
