八十四笑って、 ページ4
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「Aー！！何で氷帝来なかったんだCー！！」
「ぁ、ああ、ごめん忙しくて」
ぎゅううぅぅぅっと効果音でも出そうなほどにキツく腰に巻かれた手が絞められる
それに耐え兼ねて、パシパシと彼の肩をほぼ全力で叩いてしまったが致し方無いことだろう
「もー！丸井くん見に来たんだけど、ホントAちゃんにも会えて良かったC！」
ニパッと太陽を彷彿とさせるような元気な笑みを見て、思わず俺も笑みを浮かべる
そうすれば、完全に覚醒したジローが俺の手を引っ張って走り出す
ケチをつける暇もなく、カメラだけはどこにもぶつけないように空いてる方の手で押さえた
「うっわあぁぁ！！丸井くんがテニスしてる〜！！」
息を切らしつつ必死に足を動かしてついていけば、急に立ち止まったジロー
そして俺の片手を離して一目散にフェンスに飛びついていく
「っは、はぁ…さすが、レギュ、ラーって、事っ…か…はぁ…」
時間にすれば2分も走っていないはずだが、いかんせん足の速さの差が激しい
それに、最近はマネージャーを辞めてから運動量が減ったばかりだったので尚更辛いのかもしれない
両膝に手をついて肩で息を繰り返す
「…大丈夫ですか？」
「…はっ、ぁ…柳生くん」
スッと目の前に出されたのはスポーツドリンクのペットボトルと淡い水色のハンカチ
パッと視線を上げれば、些か心配そうな表情を浮かべてこちらを覗き込む柳生くんがいた
「ん…大丈夫だ、それは柳生くんのでしょ」
「気にしないでください」
半ば無理やり冷えたペットボトルとハンカチを握らされる
ジッと眼鏡越しに見つめられて、飲めと催促された
一つ息を吐いてから、礼を言って口に含めばやっと柳生くんが笑ってくれる
「それにしても…彼は元気ですね」
「…ブン太の事になると普段の10倍は元気になってるよなぁ…」
半ば呆れているような空気を纏っている柳生くんに苦笑しつつ、返した
そして、手元にある水色のハンカチを見て続ける
「ごめん柳生くん、これ洗って返すから」
「お気になさらないでください」
物腰柔らかくそう返されてしまったので、菓子折りも持ってこようと密かに心の中で決めた
そうすれば、少し焦ったように礼を言う柳生くんの姿が頭に浮かんだ
「Aちゃーん！！こっちで俺と天才的なプレー見よーよー！！」
「…行ってくる」
「はい」
柳生くんにそう言って、眩しい笑顔を見せるジローに向かって歩き出した
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夜空。(プロフ) - もう、続きはお書きにならないんですか？ずっと楽しみに待ってます。これからも頑張ってくださいね (2018年11月10日 15時) (
レス) id: 1901d2730a (このIDを非表示/違反報告)
桐枝(プロフ) - 続きを末長くお待ちしております (2018年7月14日 23時) (レス) id: 113f38a93e (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - すっごく面白いです！！！いつか更新されるのを楽しみにしてます！ (2018年2月4日 16時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - とても面白かったので続きが読みたいです！更新待ってます！ (2017年8月6日 17時) (レス) id: 165401a331 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - 面白かったです！これからも頑張ってくださいね！ (2016年8月13日 0時) (レス) id: a396c6ef54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2015年10月31日 16時
