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28流 ページ28

レギュラー side



幸「ねぇ、どう思う?」


Aと別れたのち、まだ時間があるということでレギュラー陣はファストフード店に来ていた

立海に近いからか、レギュラー陣を見て騒いでいる立海生もいた


切「…意味ワカンねぇっすよ、それに入りたくないんだったらもう入れるの無理じゃないっすか?」


柳「本当に、Aが入りたくないと思っていると思うか?」


早くも諦めようとしている切原に柳がノートから目を逸らさずに言った


ジャ「…どういうことだ?」


仁「『入りたくない』と『入れない』は随分と意味が違うナリ」


仁王はハンバーガーにかぶりつきながらそういった

幸村もそれに頷く


柳生「Aさんは始め、入りたくないと仰っていましたね」


真「だが、最後は入れないと言っていたな」


幸「そして、今の自分をやめること。それがテニス部に入れる条件の様でもあるんだ」


幸村がふと真剣な表情をして、仁王を見る

仁王はそれに気付きながらも気づかないふりをした


幸「仁王は知ってるよね。…Aさんの本当の自分を」


幸村の言葉で、仁王に視線が集まる


丸「え、仁王本当かよぃ!?」


今までずっと一緒にいた丸井は驚きを隠さずに問い詰める


仁「…知ってるぜよ」


切「マジっすか!?なんで?」


疑問をぶつけてくる切原に、仁王は飄々とした態度を貫きつつ、内心焦っていた

あの時のことを話すのは、気がひけるという事と

どこか、自分だけしか知らないという優越感を手放したくないと思っている自分がいたからだ

しかし、そうも言っていられないだろう

目の前に黒い笑みを浮かべる幸村がいるのだから


仁「…わかったナリ…Aには言わんでな」


全員が首を縦に振る

それを確認してから、仁王は口を開いた


あの時の状況を

Aが、死を願っていたこと

寂しい思いを隠していたこと

助けを、

求めていたこと

存在を認めてくれる人を、

欲していたこと


話終わった後に、重い沈黙が降りる

散々Aに噛みついていた切原でさえも、眉を寄せていた


幸「…Aさん」


痛々しい表情を浮かべる幸村に仁王がいう


仁「それじゃ、幸村」


ジュースを飲みながらポツリと言った仁王に周りはクエスチョンマークを浮かべる


仁「Aが嫌いなんは、その『同情』ぜよ」


苦々しい顔をした仁王


丸「…同情が嫌い、か」


丸井の言葉に、皆視線を落とす




それは、一度でもAに同情していた事を裏付けていた

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ひな - 凄く面白いです!読んでくうちに感動して涙が出ました! (2019年3月5日 2時) (レス) id: b401e87431 (このIDを非表示/違反報告)
ばろろん - 仁王希望で! (2015年3月30日 18時) (レス) id: 2ad4b6f1e3 (このIDを非表示/違反報告)
蘭希 - 財前オチがいいです! (2015年3月28日 19時) (レス) id: 09f1b7a4a3 (このIDを非表示/違反報告)
みかりん♪ - 柳さんがいいです! (2015年3月28日 10時) (レス) id: ef8895fc8b (このIDを非表示/違反報告)
ゴマミソ - 柳くんでお願いします! (2015年3月27日 9時) (携帯から) (レス) id: 499e9b52c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年2月15日 13時

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