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13流 ページ13

仁王side



仁「…A?」


嗚咽も聞こえなくなったので、寝たのかと思い名前を呼んでみる


仁「寝たんか…」


返事が返ってこないので、顔を覗き込めばそこには規則正しく寝息を立てるA


無防備すぎるぜよ


そう思いながら、着ているブレザーを脱いで、屋上のコンクリートの上に敷いた

そして、Aを抱えたままゆっくりと横になった

ちょうど貯水タンクが影になり、暖かくて過ごしやすい


腕の中で眠るAをジッと観察してみる


仁「…前髪厚すぎるじゃろ」


メガネを取り、泣き過ぎて赤くなった目元を撫でてから分厚い前髪を上げる


…こっちの方が可愛ええと思うんに


そう思いながら、艶のある髪を撫でた


仁「…生きんしゃい」


もう、今日のような事がもう二度とありませんようにと願いながら撫で続ける


貴「…ん」


撫でられたのがくすぐったかったのか、Aは背中を丸める

そうすると向かい合っているため、必然的にAが俺の方に頭を寄せる形になる


…人のぬくもりが恋しいんか

まだ、俺らは所詮中学生じゃからな


仔猫の様に擦り寄ってくるAに、思わず笑みが溢れた


…やっと敬語じゃなくて素で話したきに

それは、俺に心を許した証拠じゃろ?


仁「のう、A」


「…俺を頼りんしゃい」


そう呟いて、俺も目を瞑った









Aside


貴「…え?」


眼が覚めると、そこは______








知らない部屋の中でした




え、なに?

ここどこ?


え、え、え?



名一杯混乱しているあたし


周りを見渡すと、たくさんのロッカーがある

学校で使われているものと同じだ


そして、微かに外から奇声が聞こえてくる…奇声が


こんな状況から導き出される結果は簡単で


雅治と一緒にいたし、

学校のロッカーと一緒だし、

奇声が聞こえてくるし、

さっきからパコーンと何かを打つ音聞こえてくるし…



これはもう、答えは一つしかないわけで






ここは…テニス部の、部室…?






「正解だよ、Aさん」




…しかも、あたしを名前+さん付けで呼ぶ人は、立海には一人しかいなくて





「それも正解だよ」




後ろから聞こえてくる声に、ゆっくりと振り返る

そこには、ドアの前で仁王立ちしているゆき「精市でしょ?」精市さんがいて


そして、その足元でなぜか正座している雅治がいた




…なにこれ?

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ひな - 凄く面白いです!読んでくうちに感動して涙が出ました! (2019年3月5日 2時) (レス) id: b401e87431 (このIDを非表示/違反報告)
ばろろん - 仁王希望で! (2015年3月30日 18時) (レス) id: 2ad4b6f1e3 (このIDを非表示/違反報告)
蘭希 - 財前オチがいいです! (2015年3月28日 19時) (レス) id: 09f1b7a4a3 (このIDを非表示/違反報告)
みかりん♪ - 柳さんがいいです! (2015年3月28日 10時) (レス) id: ef8895fc8b (このIDを非表示/違反報告)
ゴマミソ - 柳くんでお願いします! (2015年3月27日 9時) (携帯から) (レス) id: 499e9b52c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年2月15日 13時

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