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6華 ページ6

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貴「…大丈夫でしたか?」


ハンカチを手渡しながら問いかければ、ポロポロと涙を流しているマネちゃんは首を縦に何度も振った

あの残念女子?

少し言葉でいじめたらどっか行った

本当の事しか行ってなかったような気がするんだけどな


詩「…うぅ…あり、がとぉ、ございまっ…」


言葉にならない声を漏らすマネちゃんに、苦笑いを返した


貴「これからは一人になっては駄目ですよ」


そう言って屋上から出ようとしたが、ジャケットが引っ張られる

引っ張っているのはもちろんマネちゃん


詩「…名前!教えて…くださぃ」


初めは大きい声だったのに、どんどん最後の方が萎んでいってしまった


貴「…A Aです」


詩「あ、えと…私は、詩野 夢李です」


夢李、ねぇ…

可愛い子の名前はやっぱり可愛いもんなんだね


貴「…じゃあ、もうすぐ時間なので失礼しますね」


ぺこりと頭を下げて再び屋上から出ようとすれば、またしても引き止める声


詩「…あのっ!ハンカチ…」


あたしは詩野さんを振り返って言った


貴「あげますよ」


その時に見た、詩野さんの顔は真っ赤だった









詩「Aさん…いますか…?」


それなりに煩い教室が一瞬静かになる

女子からは妬みの視線、男子からは恋慕の視線

意味はそれぞれ違うけれど、教室にいる人の視線を独り占めしているのは確かだ


貴「…なんですか?」


一緒に話していた女の子に断りを入れてから詩野さんに近づく

そうすれば、詩野さんは真っ赤になって黙り込んでしまった


詩「…あ、あの、えと…ハンカチ」


辛抱強くまって、それから差し出されたのは、綺麗のアイロンのかかったあたしのハンカチ


…わざわざ持ってきてくれたんだ


貴「…ありがとうございます。よくクラスがわかりましたね」


詩「景吾くんが教えてくれたの…」


景吾くん?

ああ跡部サマか、生徒会長の


跡部サマの名前が出た事で、さらに詩野さんへの視線がつよくなる

まあ生徒会長はモテるし、しかも詩野さんにベタ惚れらしいからね


詩「Aさん…私と友達に…なってくだしゃい!」


あ、噛んだ

とは思っても口には出せない

目の前に涙目で顔を林檎のように真っ赤にした子がいるんだから


貴「…私でよかったらお願いします」


詩「…!やったぁ、これからAちゃんって呼んでもいいかな?」


お好きなようにしてくださいといえば、詩野さんはニコニコ笑いながら自分のクラスへ戻っていった

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ノエル - 始めから引き込まれるほどとても面白かったです!!これからも更新頑張ってください。応援しています (2015年6月15日 16時) (レス) id: 6b02af50b9 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 甘夏蜜柑さん» オッス! (2015年2月13日 22時) (レス) id: cbeffbf827 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - モモさん» ありがとうございます…暇があったら覗いてやってください。…面白いかは保証しませんが (2015年2月13日 22時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 甘夏蜜柑さん» やっぱりスゲー!尊敬するッス! (2015年2月13日 22時) (レス) id: cbeffbf827 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - モモさん» そんな事ないですよwwwというか、REBORN始めました…w書きたくなっちゃって…調子に乗った挙句に…← (2015年2月13日 22時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年1月30日 18時

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