34華 ページ34
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貴「私には、父親はいません。母親は一昨日死にました。」
そう、あたしは一人
「…貴方には、奥さんがいます…子供がいます」
「家庭を、大事にしてください…!」
最後は懇願になってしまったかもしれない
あたしがすることのできなかった、家族で笑いあうことをやめないで
きっと誰もが、願う事だから
董「A…」
貴「…貴方は、杏子という人物とは…ただの、友人です」
そういって、あたしは笑った
視界に眉をひそめる光が入る
董「…わかった」
5分以上に感じた沈黙を破ったのは、董夜さんの声
董「でも…一つ、一つだけ、俺の願いを聞いてくれ…!」
目に涙を溜めてこちらをみる董夜さん
貴「…なんでしょうか」
董「俺に…せめて、せめて生活費と学費だけは払わせてくれ…!」
貴「いりません」
董「…頼む…!」
頭を下げた董夜さんは何を思っていたのだろうか
母さんを、本当に愛していたのだろうか
母さんは、愛されたのだろうか
貴「…わかり、ました」
董「…それと、転校して貰えないか?」
ああ、氷帝の学費は異常に高いからね
そんなに、払えないか
貴「ええ、いいですよ」
多分、氷帝ではもう今まで通りにはいかないだろう
合宿だというのに、迷惑をかけてしまった
だったら、いっそのこと…いなくなったほうが楽じゃないか
財「Aさん…!ええんですか!?」
貴「…いいんです、もう」
早く、この場から去りたかった
母さんだったら、こうするだろうと思ったことを今やっているだけ
母さんだったら、こうするでしょ?
ねぇ、母さん
ポケットに入れておいた紙を服の上から撫でる
カサリと乾いた音を立てた…母さんの遺書のような…あたしへの最後の言葉
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ノエル - 始めから引き込まれるほどとても面白かったです!!これからも更新頑張ってください。応援しています (2015年6月15日 16時) (レス) id: 6b02af50b9 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 甘夏蜜柑さん» オッス! (2015年2月13日 22時) (レス) id: cbeffbf827 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - モモさん» ありがとうございます…暇があったら覗いてやってください。…面白いかは保証しませんが (2015年2月13日 22時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 甘夏蜜柑さん» やっぱりスゲー!尊敬するッス! (2015年2月13日 22時) (レス) id: cbeffbf827 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - モモさん» そんな事ないですよwwwというか、REBORN始めました…w書きたくなっちゃって…調子に乗った挙句に…← (2015年2月13日 22時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年1月30日 18時