【テニプリ】とても可愛いお姫様だね

2華 ページ2

跡「明日からゴールデンウイークだ！お前らレギュラーは合宿だぜ！！」


…え？

まってよ、ゴールデンウイークを潰さなきゃいけないわけ？
男子テニス部の為だけに？


貴「あの、それ強制参加じゃないですよね…？」


控えめに、でもしっかりと跡部くんに質問する

そうすれば、その場にいた全員の視線が向けられる


跡「…あぁ、お前は別に…」


そこまで跡部くんが言ったところで私は心の中でガッツポーズをしたのだが…


詩「えっ！？Aちゃん来ないの！？」


涙目をこちらに向ける詩野さん

…え？
逆に来なきゃいけないの？


詩「…Aちゃんが来ないんなら…私も「A、マネは強制参加だ」」


おい！
お前が詩野さんと一緒に行きたいだけだろ！

急に意見を変えた跡部くんを睨みそうになってやめた

今は一応敬語キャラだし、何より一介の生徒が跡部サマに逆らえるわけがない

飛び跳ねるほど喜んでいる詩野さんを微笑ましい笑顔で見るレギュラーに、冷ややかな視線を送るあたし


貴「…はぁ」


ため息はしょうがないよね


貴「…では、わたしは帰ります」


失礼しましたと頭を下げて部室から出ようとした時、またしても可愛い声


詩「Aちゃん！」


なんでお前が呼ばれるんだよ、という視線をそこら中からいただく

…返却してもいいですか？


貴「…なんですか、詩野さん？」


なるべく優しい声音で問いかける


詩「一緒に帰らない？」


詩野さんのその一言で、断われよという視線攻撃の威力が増す

ああ、面倒臭いぃぃ…


貴「…すみません」


詩「え〜今日もダメなの…？」


捨てられた子犬のような眼でこちらを見つめる詩野さんに、情が湧きそうになる


貴「…夕食の準備がありますので買い物に寄らなければならないんです」


詩「私が荷物持ちしてあげるよ！！」


…うん、この子たまにこういうこと言うからビビる


向「夢李が荷物持ちなんてする必要ねぇよ！」


そう言ったのは、室内なのに飛び跳ね続ける向日 岳人

あたしもそう思うよ


貴「向日君の言うとおりですよ。一人で大丈夫です」


一人で、を強調すれば詩野さんは他に理由が思いつかないらしく可愛い顔を顰めて唸っている


貴「…失礼しますね。また明日、詩野さん」


微笑を浮かべて詩野さんに言えば、彼女は私の笑みの何倍も可愛い笑顔で言う


詩「うんっ！Aちゃん、バイバイ！」


うん、やっぱり可愛いね

だって、テニス部ほとんど全員が顔を赤らめてるから

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