三十九 ページ40
片 上様！どうかお逃げください。このもの牢を脱獄し将軍様の首を！！
Aに刀を突きつけられている片桐は将軍に向かって叫んだ。ネネはもう終わりと言わんばかりに床に腰を落としてしまった
将 刀を納めてくれぬか？A
貴 将軍様…
そしてAも二度目の将軍からの呼びかけで刀を片桐の首から離した
将 片桐三郎 もうそなたがした事は承知している。これ以上罪を重ねるではない。
全てを知っていると悟った片桐は豹変したように笑い始めた
片 ふっ ハハハハハ！将軍よ！今ここで殺さぬつもりか？だから甘いのじゃ！やはり貴様のような半端者では国は収められまい！
将 連れてゆけ
護衛 ハッ
将軍の護衛達によって片桐三郎とネネは囚われた。だがまだ片桐は笑うことをやめはしなかった
片 おいAといったか？貴様らゴミが幾ら頑張ろうがなにも守れんのじゃよ。死んだ店主の母親なんと言ったかのう。さぞかし喜んでいるだろう息子と同じ死に方ができて
銀 なに！？
数秒後 江戸の町に大きな爆発音と黒い煙が上がった
片 貴様ら庶民の命などゴミ同然。わしは貴様らの命さえ左右できる。ふっ老いぼれがコソコソかぎまわりよって… ゴミはゴミらしくしておけばいいものを
貴 フッフハハ アハハハハハハハハ
突然笑い出したAの目は赤く光っていた。
土 A！？
片 どうした？自分の無力さにもう笑うことしかできぬか？
貴 フフッ ねぇどこからがいい？足？手？それとも目玉？
沖 チッ まずい
銀 おいまずいって何がだ！！
土 おい総悟！まさか
近 俺たちはこのA一度見たことがある…
そうあの近藤が襲われたあの日のように
その瞬間 護衛が掴んでいたはずの片桐の手は両手とも片桐の体とは切り離れていた
片 うっ きっきさまぁああああああああああああ
護衛 うっ上様をここから早く出せ！！
護衛達は無理やり将軍を押し出した
貴 アハ そうだ！あんたの娘から殺す？
フラフラと歩きながらAは腰が抜けてしまっているネネの元へ近づいていった
土 やっ！やめろおおおおお！
土方の声は虚しく部屋中に響き部屋には血が飛び散った
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作成日時：2020年8月13日 21時
