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4つ目 ページ5

貴女said
彼は一瞬目を丸くし、楽しそうに笑った
「クソみたいな、ね。確かに腹の探り合いは気分がいいものではないな」
彼はソファーに寄りかかり肩をすくめた。私は真顔のまま紅茶をすすり、ひたと見据える。
『ええ、だから私的には早く終わらせたい。一刻も早くね』
「…君、相当分厚い仮面をかぶっていたんだね」
『余計なお世話。こちとら朝から晩まで人語を話す豚と会っていたので疲れているのを察しろ』
「随分な言い様だなぁ。ていうか僕もその豚の中に入っているのかい?」
彼は茶菓子のクッキーを頬張りながら言った。それに悪い笑みを向けて答えた
『まさか、あいにく豚相手には仮面は取らない趣味なの。安心して?』
「随分と素敵な趣味だ。君、本当に5歳なのか?」
『残念ながら、まだ生まれて4回しか雪を見たことないよ。そういう君は今何歳なの?』
「今年で12歳。」
『…あのじじい、同年代っつったじゃねぇか』
ボソッと口からこぼれる様に発せられた言葉はちゃんとスティーブンに届いていたらしい
困った様な笑みでまたソファーに背を預ける。
「なんか、その容姿で暴言吐くとなぁ」
『思っていても口に出さないのは社交界の礼儀のはずだけど?』
「その礼儀を今、かなぐり捨てているのはどこの誰かな?」
『本音が口をついて出るときってあるでしょう?Mrスターフェイズ』
「確かに。…さて、君はとても疲れている様だしもう帰ろうかな」
『そう。それは喜ばしいことだ。
ああ、言っておくけど、このこと他言無用で。言ったらあらゆる手段で家を潰す』
「…冗談に見えないところが恐ろしいよ。」
その答えに仮面の笑顔で答え上品に姿勢を正し小さく礼をする。
『では、またお会いしましょう?Mrスティーブン』
「ああ、楽しいひと時をありがとう。MsA」
こうして、彼とのお見合いは無事ことなきを得た。もう会うこともない
…はずだった

翌日
昨日より雪が増え本格的に積もってきた今日この頃
紅茶を飲みつつ、語学書に目を通す私は、さながら知的な少女といったところだろうか
こういう時は使用人が誰も声をかけてこないから気が休まる
しかし、そんな至福の時間は長くは持たなかった
「お嬢様、Mrスターフェイズがお見えです」
…は?
『ごめんなさい、聞こえなかったわ。もう一度言ってくださる?』
「え、っとMrスターフェイズがお見えになりました。応接室にお通ししております」
まじ、何しにきた

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UTA - すごく面白かったです!後半にかけてすごく面白くなっていたので続きが読めないのは残念ですが素晴らしい作品を書いてくださってありがとうございました!!別作品期待してます! (2019年4月28日 19時) (レス) id: b28bd8f6cb (このIDを非表示/違反報告)
。。 - オリジナルフラグ外して下さい違反です。 (2019年2月9日 13時) (レス) id: 8099c9656f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くるクラ | 作成日時:2019年2月9日 12時

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