背中にあった翼はどこにもなくて…。【男主】

20歩目 ページ21

赤葦｢…左利きの人が右手で打つのには多少なりとも自分の中で調整して、打たなければならない。
利き手じゃないからね。


それが出来なくなったのは、右眼の視力が落ちたから。

右眼、怪我したりして見えなくなったとかだろ？｣



え、なに？


京治なんなの？

名探偵京治なの？



赤葦｢おれは、名探偵じゃないよ。｣

A｢なにっ!?
こいつ心の中から話しかけてきただと!?｣
赤葦｢A、そーゆーノリは間に合ってる。｣
A｢うっす。(あ、察し…。)｣

木兎さんと黒尾さんは大爆笑してるので、声は消しときましたー。


A｢そっかー、左手か。

コーチとみんなに一回相談してみるよ。





なんか、ウシワカみたいだなー…


はぁ。｣


木兎｢いいじゃねーか！左!!｣

木兎さんが羨ましそうに聞いてくる。

A｢まあ、珍しいっすけど、


左ってトスのタイミングとかいろいろ変わってきますし。｣

黒尾｢まあ、嫌だよな、打ち方変えるってのは。｣



赤葦｢じゃあ、今日は右手の感覚戻しをひたすらしようか。｣


A｢うん、よろしく。｣


打ち方を変えるってことはみんなに相談しなおといけないし、
嫌なこと思い出すし、

嫌だな…


それに
せっかく、安定してきた烏野を崩すようなことはしたくない。




だから、おれにできることは



いや



おれがしなければならないことは




ひたすら打って、

この体に右手の感覚を覚えさせるだけだ。






パシッ


ﾎﾞｺｯ

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