世界が変わった日 (ページ19)

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苦痛ページ19

真紀は秀夜を外に連れ出した。

「な...なにすんだよ！ババァ！」

「ババァって呼ぶんじゃない、私には真紀って名前があるの....」

「で、どうすんだよ。」

「車に乗って」

「なんでだよ....」

「理由は後、さぁ早く乗って」

「.....分かったよ。」

真紀は秀夜が乗った後、車を出した。

「で、なんだよ」

「秀夜くんの家を教えて？」

「なんで？」

「心配じゃないの？家族が」

「......そこ、真っ直ぐ行って....右....」

「それで？」

「時雨って苗字、ここしかないから....分かると思うけど」

「あー、あったあった、あれね。よし分かった。鍵は？持ってる？」

秀夜は頷いた。

そして、秀夜の家の前で止まった。

「よし、じゃー降りよ.....」

言う前に秀夜は降りた。

「ちょっと！待ちなさい！」

「でも.....」

「気持ちは分かるけど、中にいたらどうすんの！待って。」

真紀は急いで降り、懐中電灯を付けた。

リビングと、台所、浴槽、と調べたが誰もいない。

「家族.....避難したんじゃない？」

「......」

すると、2階から物音がした。

秀夜は音に気付き、2階へと向かった。

「ちょっと！秀夜くん！」

秀夜は2階へ行った。真紀も後についていった。

薄暗い中、秀夜くんを部屋の入り口で見つけた。

「秀夜くん...待ちさいって言っ......」

秀夜は涙をこぼしながら、立っていた。

そして、真紀もその部屋を見る、薄暗く見えないが、何かある。

真紀はその部屋に懐中電灯をあてた。

中にいたのは、秀夜の母親、弟、そして、4才ぐらいの幼児だった。

母親の手には血のついた包丁があった。

多分、母親はあの姿にはなりたくなかったのだろう。そして、子供も苦痛を味わうより、楽なしでありたかったんだろう。

でも一番下の子は死にきれなかった。

首から血を出してるにも関わらず、生きている。つまり感染した。

秀夜はこの姿をみて泣いたんだろう。

「秀夜くん.....これ...」

「何？これ......」

「ナイフよ.....」

「なんで.....ナイフなんか.....

「一番下の子はあの姿よ？見ていて辛くない？
きっと下の子も辛く思ってる。だから楽にしてあげよう。秀夜くんの手でするか、私が代わりりにするかは......秀夜くん次第よ」

「自分の手でやるよ.....」

「じゃ、してきなさい。頭を....ね。」

秀夜は小さく頷いた。