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随分遅くなっちゃったけど、と渡されたのは、綺麗にラッピングされたプレゼント。あららら、19歳の子から貰っちゃっていいんですかね。
「だから佐久間とかそわそわしてたのか！ 」
「あれっ、バレてた？ 」
「サプライズするって柄じゃないのに、慣れないことするからだよ！！ 」
「そこは素直にありがとうでしょ」
メンバーだったらグループみんなでひとつだけど、Aちゃんたちには個人から渡したいからってそれぞれが選んできてくれたらしい。多いだろうからってわざわざ持ち帰るための紙袋もあった。気が利くじゃないの。
渡すだけ渡して、ラウは康二くんと目黒くんと一緒に帰っていった。後で教えてな！って言い残してたけど、感想を教えろってことなのか。
「それじゃ、Aちゃん、帆乃ちゃん。……向こうで起きたことを教えてもらえるかな」
がはは。ですよね。
「偶然にしては出来すぎでしょ、そんなの」
「だよね？ 私もそう思う」
マネージャー件やら嫌がらせの件やら、そしてオマケに熱を出したことやら。一通りのことを洗いざらい吐かされてかなりのカロリーを消費した私はユッケビビンバを注文した。我ながら焼肉屋に向いてない注文の下手さだと思う。
「帆乃ちゃんは会ったの？ ソイツに」
「矛先が変わるかもしれないから会うなってAに言われてたから会ってないよ。何回か会おうとしてたらしいけど」
「元々居た自分の立場が呆気なく取られたからムキになってたんだよ、アイツ。“こんな風に育てたマネージャーに会わせろ！”ってよく言ってた」
「Aちゃんが全て背負う羽目になるのは癪だけど、帆乃ちゃんに合わせないようにしたのは正しいと思うよ」
「AちゃんもAちゃんで逐一帆乃ちゃんに話してたみたいだし、自分を犠牲にしてた訳じゃないでしょ？ 」
帆乃花はどっちかって言うと可愛い系統の顔立ちをしているし、運動が得意だからなのかスタイルもいい。加えてダンスもできる秀才さ。そんな良い人材、Kの目に入ればどうなることか。アイツからすれば、喉から手が出るほどに欲しくなるんだろう。それだけはどうしても避けたかった。
「それよりも、よく手出さなかったね？ 俺だったら無理だわ〜」
「ああいう、人をおちょくるのが得意な人なんて何人も見てきたからね」
「は〜……話聞くだけでもイライラするな」
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作者名：風呂 | 作成日時：2023年1月18日 21時
