花組 ページ8
私と帆乃花は幼稚園からの幼馴染だ。小、中、高と同じで、今では仕事も同じだ。なんなら、巷ではゆり組と名高いリョウタandショウタよりも人生を共に歩んできている。
「姉ちゃんと帆乃花って何組なの？」
「90年組だけど」
「ちげぇよ、幼稚園の話」
リビングから聞こえてきた声。油の音なり電子レンジの音なり、こっちは忙しなくもてなす準備をしているから余計に聞き取りづらかった。いつも犬猿の仲とかいって売り言葉に買い言葉を繰り返しているわけだけど、意外とプライベートはどっちも大人しい。完全にスイッチがオフなのだろう。
「涼太くんサラダ盛っちゃうね」
「うん、ありがとう」
対してこっちにいるゆり組の片割れは通常運転。油が跳ねるといけないからって率先して火の近くにいてくれるし、私が何か話すと必ず返事をししてくれる。まじで私じゃなかったら惚れてたぞ。
「ん〜……最後はすみれ組だったかなぁ」
「あー、運動会の時青色のハチマキつけてたな、そういや」
「自分で染めたやつね、」
メインディッシュに前菜、副菜。小鉢なんかもつけちゃって、冷蔵庫には私特製のスイーツが眠っている。これはこれは良い一夜を過ごせそうだ。
「本当に料理上手くなったね」
「涼太くんほどじゃないよ、家でイタリアンなんて作れないし」
「Aちゃんの料理は愛情が詰まっててあったかいからいいんだよ」
「なんじゃそれ、お母さんってこと？」
ふふっ、と笑って料理を運んでいく貴族。ちょっと待って、せめて否定しろよ、二歳しか変わらないんだぞ。
「できたよ」
「うぉ、マジ？」
「美味しそ〜〜！ハンバーグじゃん！！」
隙あらばつまみ食いをしようとする犬と猿を片手で制し、食べたいなら洗い物してきてねって清々しいほど綺麗な笑顔でいう涼太くん。母親の血が滲み出まくってますよ。
トコトコと私の元へやってきた二人と交代して、戸棚からグラスを取り出す。氷を入れてウォーターサーバーからお水を注いで、後からやってきた涼太くんと一緒にテーブルへ運ぶ。まだお酒の登場はお預けだ。
「いただきます！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1406人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
風呂(プロフ) - えっこさん» それだけじゃどのアカウントか分からないのでアイコンがどんな感じなのか教えて頂けますか？ (2022年12月15日 0時) (
レス) id: 8fada28824 (このIDを非表示/違反報告)
えっこ(プロフ) - インスタのフォロリクさせていただいたのですが、dmもマシュマロもできなかったのでこちらに書かせていただきました！ (2022年12月14日 21時) (レス) @page37 id: 98f088ff5e (このIDを非表示/違反報告)
風呂(プロフ) - 真由さん» コメントありがとうございます…！雰囲気を壊したくないので敢えて視点主の明記はしてません;; 最初の方で誰視点なのか分かるように書いているのですがやっぱり分かりずらくなってしまって申し訳ありません……今後の話ではもう少し分かりやすくしてみます。 (2022年12月14日 9時) (レス) id: 8fada28824 (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます！いつも読む時誰目線なのか分からないのでできればでいいのですが〜sideとか書いて頂けるとありがたいです！すみません！これからも楽しみにしてます！ (2022年12月13日 23時) (レス) id: db608c2c8e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：風呂 | 作成日時：2022年12月6日 2時
