合コンに行ったら長男にお持ち帰りされた件【鬼滅の刃】

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「奢ってもらって本当にすみません」


そう言うと竈門さんはいえ、と全然気にしてないように笑ってきた。人に奢られ慣れてないから罪悪感がすごい。

最初は普通に私が払おうとしたけど絶対払わせてくれなかった。こっちから誘ったから、と言っても「俺は元々一緒にご飯食べるつもりで迎え来たので」と言われて引くしか無かった。


「あの、不躾なのですが」
「？ はい」


この人がよくする首を傾げる仕草に毎度心臓がぎゅってなるから、私多分これに弱いんだと思う。

それを知ってるのか察したのか何度も何度もしてくるから変なお願いとかされても負けそう…押しに弱いから気を付けろって友達に言われ続けてた意味がやっと分かった。


「最後に男性とお付き合いしてたのはいつですか？」


急な質問にへ、と間抜けな声が出る。

えっと、なんて考える素振りをしてみたけど、実際はもうすぐに答えられる。だって1回しかないもん。でも20越えて1人なんて恥ずかしいからこれくらい許して。


「…………………高校の時です」
「の？」
「………高校です」
「の？？」


いや答えたくないの察してよ。強引なところ出てるよ。そんなのめり込むように聞いてこなくてもいいじゃん。

この人の強引なところ出てるし、友人如く押しに弱いらしい私は多分折れられない。それと竈門さん絶対頭硬い。物理的な意味じゃなくて考え方が、的な。


「…………いちねん、です」


そう答えるとなぜか嬉しそうにへえ、と言う。

何笑ってんの！？いやここは馬鹿正直に答えず3年ですとか嘘つくべきだった？いやでもなんかこの人には嘘通じなさそうだしエスパーぽい所あるからあとが怖い。


「…それと、家の猫に会いにこないかって手口、ああいう場では結構一般的な台詞だと思うんですが」


え、そうなの？合コンとか初めてだから全然知らなかったし聞いたこともなかった。でも竈門さん本当に猫飼ってたから…いや、中には嘘つく人もいるのかな。


「もう俺以外に引っかからないで下さいね」


本当に自然な流れでまた手を取られる。そしてそのままお高そうな黒い車に案内された。

いやいやこの流れで？怖すぎでしょこんなん逃げられないしそのまままた彼の家行ったらどうするの。


「安心してください」
「で、でも」
「はは、何もしませんよ。……まだ」


まだって言ったこえぇえええ！！！


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