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間抜けな顔をする私を他所に、平然と店員さんから届いた料理を受け取る竈門さん。
よかった、店員さんに偉そうな態度を取る人きらいだからちゃんと敬語使ってる…ってじゃなくて!!
平気で爆弾発言落としてくるなこの人、告白を挨拶感覚で言ってるのか?アメリカのハグ的な?日本のおはようございます的な?……まあもう例え話はいい。
「わ、おいしそうですね」
「俺のお気に入りの店です」
ほんとだ美味しい…じゃなくて!(2回目)
この人パッと見本当にいいひとっぽいけど結構強引だ。それにあざとい。無意識かどうか分からないけど、自分の容姿を理解した上で上手く利用してる感じ。
時に色っぽく、時にあざとく、同性なら嫌なタイプ。
「返事は急がなくて大丈夫です。まだ俺の事何も知らないでしょ」
からん、と彼特有の耳飾りの音がしてにっこり微笑まれる。というかさっきから食べてるところを凝視してくるのは一体なんなんだろう。品定め??遅くない?
俺の事何も知らない、もなにも、竈門さんだって私の事何も知らないのでは。この前会ったばかりだったし、きちんと会話するのだって今が初めて。もしかして誰かと私を人違いしてるんじゃ…?
「ないよ」
「あ、ハイ」
秒で否定され…というか考えてること筒抜けか。エスパーかよ。でもなんだろう、いいひとなんだけど、底からにじみ出るというかチラつくブラックな部分が怖い。
「でも、この前が初対面でしたよね」
「……一目惚れ、って言ったら信じてくれますか?」
一目惚れ。ドラマみたいな惚れ方だなあと少し考えたけれど、真剣な瞳で真っ直ぐ見つめられて、気付いた無言で頷いていた。私ってもしかしてチョロいのかな。
ずっと重ねられていた手がするりと撫でて、擽ったい。そのまま指を絡められて、かおがあつい。
「………うれしい」
あ、またこの顔。
こてんと首を傾げて、本当に愛おしいものを見るような目をする。若干頬が赤く染っているように見えて、これが演技だとは私には到底思えなかった。
「俺、もっと貴方の事知りたいです」
「え、は、はい…」
「リリも会いたがってました」
子猫の名前を出された頷きそうになるが、いやもう家には、と言っても、聞こえてないのかスルーしているのか「俺料理得意なんです」「楽しだなあ」とにこにこしていた。その笑みが怖いです。
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みっつー - 何飲ませたんやろ…怖い怖い (2020年12月25日 12時) (レス) id: ac26435f9a (このIDを非表示/違反報告)
殿ォ! - やべぇ炭治朗こえぇ、、、勉強終わんねぇよぉ。助けてぇぇたぁんじろぉー! (2020年10月15日 18時) (レス) id: 5c5bcab0c3 (このIDを非表示/違反報告)
如月 哀華 - 何を入れたのか?とんでもねぇ炭治郎よ… (2020年6月2日 15時) (レス) id: 76720d9193 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - 大福もちもち それな\(°д°\)え、何?アレですか?あの“び”から始まって“く”で終わるヤツですか??…応援してます!!(^ ^)←文章能力低め (2020年6月1日 21時) (レス) id: 0820e3db89 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちもち(プロフ) - 口に何を入れたんだ?炭治朗 (2020年5月28日 2時) (レス) id: 1aea6c2a36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すばる | 作成日時:2020年5月11日 22時