【OP】翼を持つ者2 (ページ7)

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story.51 ページ7

「ロ…ロロノア・ゾロ…!!!」
「………!!」
「お―――っかっこいいっ!!」
「お―――っ」
ゾロが縄から逃れられるとは思っていなかったのか、それともあのまま斬り殺せると思っていたのか。
ゾロの行動にモーガンは声を上げた。
兄妹はといえばニパッと表情を明るくさせ、Aに関しては拍手までする始末。
本当に緊張感のきの字も持ち合わせてない兄妹である。
「てめェらじっとしてろ。動くと斬るぜ」
「ひい…!!」
じろりと海兵達を睨むゾロに、海兵達は恐怖に震えてその場に固まる。
(((恐すぎる………!!!)))

「海賊にはなってやるよ…約束(・・)だ!! 海軍(こいつら)と一戦やるからにはおれもはれて悪党ってわけだ…。だがいいか!! おれには野望がある!!!」
「!」
剣を受け止めたまま、ゾロはルフィとAにそれぞれ視線を向けた。
ゾロの言葉に兄妹はキョトンとした顔をする。
「世界一の剣豪になる事だ!!!! こうなったらもう名前の浄不浄も言ってられねェ!! 悪名だろうが何だろうが、おれの名を世界中に轟かせてやる!!! さそったのはてめェらだ!! 野望を断念する様な事があったらその時は腹切っておれにわびろ!!!」
鋭い視線を向けているが、それは相当の覚悟があるが故だろう。
ゾロの声にルフィはニッと明るく笑うとAと顔を見合わせた。
「いいねえ世界一の剣豪!! 海賊王の仲間ならそれくらいなって貰わないとおれが困る!!!」
「なっ」とルフィに同意を求められ、Aは静かに微笑んで頷いた。
「ケッ、言うね」
　話がある程度まとまったところで、何もできずに固まる海兵達をモーガンが怒鳴り付ける。
「何ボサッとしてやがる!!! とっととそいつらを始末しろ!!!」
その声に海兵達はビクッと震えた。
命令通りに再び動こうとする海兵達だが、それよりも前にルフィが片足を上げる。
「しゃがめゾロ!! ゴムゴムの…鞭(ムチ)!!!!」
　ルフィに言われるままゾロがしゃがむと、ルフィはそのまま蹴り上げた勢いで伸ばした足で海兵達を薙ぎ払う。
「や…やった!! すごいっ!!!」
「お見事!!」
「てめェは一体…!!」
コビーとAはハイタッチをして喜び、人間離れした技にゾロは戸惑う。
「おれはゴム人間だ!!!」
そんなゾロに答え、ルフィはニッと笑って見せる。
薙ぎ払われた海兵達はルフィの言葉に痛む体を引きずりながら焦ったような困ったような表情を浮かべ、モーガンに敵うわけないと訴えた。
「ゴ…ゴ…ゴム人間!!?」