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女神の祝福を受けました ページ10

軽くSAN値が削れたところで、女神様が私に何かを差し出してきた。
 綺麗な若草色の布と、何かキラキラした小さな石のようなもの。
 受け取ると、布の方はとても手触りの良いフード付きマントで、石はイヤーカフのような耳飾りだった。
 耳飾りに着いた石は垂れ下がるタイプの、雫型で真珠のような光沢と透明な海を閉じ込めたような美しい石だ。
「これは?」
「耳と尻尾を隠すならマントを持っておいた方が良いと思って。耳飾りは私からの贈り物よ。きっとあなたを守ってくれるわ。船室にお金も置いてあるから、好きに使って」
 ……至れり尽くせりすぎてなんだか怖くなってきた。
 これ本当に私が”偶然選ばれた人間”だから与えられる特典なの!?
 後で何か請求されたらどうしよう、返せるものなんて何も持ってない……。
 ひええ、なんて声を上げる私を放置して、女神様は私の右耳にイヤーカフを付ける。
「前の世界で全然自由になれなかったんだから、思いっきり楽しんでらっしゃい。何しても平気なようにしてあるんだから」
 女神様にいろいろなことをしてもらってしまった報酬をいつか命で払えみたいなこと言われるのだろうかと想像してガタガタ震えていた私にそう言い、女神様は私の額にキスをした。

「あなたに女神からの祝福を」

 柔らかな温もりと共に頭を撫でてくる優しい手を、どうしてか酷く懐かしいと感じる。
 おかしいな、女神様とはついさっき対面したばかりなのに。
 奇妙な気持ちになりつつも、笑顔で送り出してくれる女神様の気持ちを無駄にする訳にもいかないので船に乗り込む。
「まだ状況を上手く飲み込めてないけど、とりあえずご期待に沿えるよう全力で楽しむことにします。女神様、ありがとうございます!」
 ただの気まぐれとはいえ、ここまでよくして貰ってしまったのだ。ちゃんとお礼を言わねば。

 女神様はニコニコ笑って私に手を振ると、現れた時と同じように光の玉になって消えた。

 帰る方法はない。
 けれど目の前には神によって開かれた道と自由がある。
 まだまだ何が起こるかも、ここがどんな世界なのかも全く分からないけど、楽しんだもん勝ちだ。
 少しの諦めと沢山の楽しみを抱えながら、私は海へと船を出した。


「さぁ、出航だぁ!!」

なんか出た→←事前に言うってことをしてくれ



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@今宵 - 凄く面白いです!ゆっくりでいいので続き書いてくれたら嬉しいです( (2021年3月7日 7時) (レス) id: 8ace50b083 (このIDを非表示/違反報告)
寝月縁(プロフ) - 犬猫さん» 犬猫様コメントありがとうございます!!遅筆ですが頑張ります!! (2020年8月10日 17時) (レス) id: 3ddcff7d04 (このIDを非表示/違反報告)
犬猫 - 続きが楽しみです!更新頑張ってください。 (2020年8月8日 20時) (レス) id: e9cd7e7d30 (このIDを非表示/違反報告)
寝月縁(プロフ) - MAERさん» MAER様ありがとうございます!!嬉しいお言葉を励みに、頑張って更新していきます!! (2020年8月1日 23時) (レス) id: 3ddcff7d04 (このIDを非表示/違反報告)
MAER - 面白いです!更新頑張って下さい、、! (2020年7月30日 14時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寝月縁 | 作成日時:2020年6月28日 2時

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