急すぎてついていけない ページ5
「ふふふ、初めまして。私はモイラといいます」
「えっあっ、どうも、初めまして……Aです」
楽しそうに笑いながら自己紹介をされたのでそれに倣って自己紹介し返すと、モイラさんは私の手を握り突然こんなことを言い出した。
「A、実はあなたをここに連れて来たのは私なの。驚かせてごめんなさいね」
「なんっ！？ は！？ えええ！？」
笑いながらも眉を八の字にするモイラさんに、私は思わず声を上げる。
だってびっくりしたんだもんよ。
寝てる人間をこのスラっと美人なお姉様がどうやって運んだのかすごく気になる。
けど、本題はそっちじゃないから今は置いておこうね、うん。
「ど、どど、どうしてここに連れて来たんですか？」
理由が知りたくて聞くと、モイラさんは少し寂しそうに目を伏せ、すぐにまた何事も無かったようにニコリと微笑んで言葉を紡いでいく。
「運命の女神の気まぐれ、とでも言えばいいのかしらね。偶然目に留まった人間を異世界に飛ばしたらどんなことをするのか観察してみようと思って」
明るい声でとんでもないことを言われた。
爆弾で頭を殴られた気分だ。
うん？ モイラさんは運命の女神様？ 私は気まぐれで選ばれた人間？ 異世界に飛ばす？
「おん？？？？？」
理不尽さと理解出来なさとで奇妙な声が喉から絞り出されるが、今はそんなこと気にしてられない。
「……本気で言ってます？」
「本気も本気よ。今更別の人間に変えるつもりはないわ。私あなたのこと気に入っちゃったし」
確認してみれば、語尾に音符でもつきそうな、何とも楽しそうな笑顔でそう言ってのけた目の前の女神様に、深い深いため息が出る。
どうやらこの女神様の退屈しのぎに付き合わされるようです。
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＠今宵 - 凄く面白いです！ゆっくりでいいので続き書いてくれたら嬉しいです( (2021年3月7日 7時) (
レス) id: 8ace50b083 (このIDを非表示/違反報告)
寝月縁(プロフ) - 犬猫さん» 犬猫様コメントありがとうございます！！遅筆ですが頑張ります！！ (2020年8月10日 17時) (レス) id: 3ddcff7d04 (このIDを非表示/違反報告)
犬猫 - 続きが楽しみです！更新頑張ってください。 (2020年8月8日 20時) (レス) id: e9cd7e7d30 (このIDを非表示/違反報告)
寝月縁(プロフ) - MAERさん» MAER様ありがとうございます！！嬉しいお言葉を励みに、頑張って更新していきます！！ (2020年8月1日 23時) (レス) id: 3ddcff7d04 (このIDを非表示/違反報告)
MAER - 面白いです!更新頑張って下さい､､! (2020年7月30日 14時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寝月縁 | 作成日時：2020年6月28日 2時
