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｢ううん、そうじゃないの。そうじゃなくって……なんて言えばいいんだろうってくらい、言葉が見当たらないほど素晴らしいの｣
｢サンジさんのスープはまた格段に美味しいですもんねー｣
｢そう！美味しいの！｣
ブルックによって言葉を思い出す。
これは『感動』だ。
絶品なんて比でもない。
｢ははは！嬉しい事言ってくれるなぁ、んな事言われちまったら余計に腕がなるぜ！｣
ま、それだけ食ってくれりゃ満足だがな。と満足げに鼻で笑ったサンジの目線の先には無我夢中で手当たり次第に朝食をほお張るソフィアの姿だった。
｢おーう、ソフィア。おめぇ細っこいからほんと少ししか食わねぇかと思えば随分食い意地張ってるじゃねぇか！｣
朝からコーラを片手に豪快に笑うフランキー。
｢だって、あんまりにも美味で…！｣
ソフィアの食べる手は手はなかなか止まりそうになかった。
パンも、ベーコンも、サラダも。卵料理も肉料理も全て食いつくしたいと思った程だった。
｢しっかしまぁ、拾った時よか喋り方も人らしくなったよな！顔もまだぎこちねぇけど表情があるし…｣
一足先に朝食終えて一段落していたウソップはしみじみと感動に近い思いを抱いたがそれは彼一人だけではなかったようだ、
｢そうね、元々理解能力は高いのかもしれないわ。体験する気持ちが一致する言葉を探した当てるのが上手いのかもしれないし…。｣
｢そう言えば表現もちょっと詩的で硬い感じはするわね。人と話さずに生きてきたのによく人見知りしないわよねー。｣
｢いーぞ！もっと食え！ソフィアー！｣
口々に自分のことを言っているにも関わらず夢中なソフィアの耳には全く持って聞こえてはいないらしい。
｢サンジ、これはなんて言う料理？｣
｢んー？それはカルパッチョって言うんだぜ｣
｢…これ、特に好き｣といったように。
｢………｣
そんな和気あいあいとした雰囲気の中1人ピリリとした空気を身にまとったゾロはソフィアをじっと見つめ、｢ごちそうさん｣と合掌してそのまま無愛想に外へ行ってしまった。
｢なーんかゾロくん、ソフィアがきてからご機嫌ななめだな｣
｢どーしたんだろーな｣
心配半分、首を傾げるウソップとチョッパーを他所に｢どーにも、嫌な予感がする｣と甲板で呟いたゾロの声は誰にも聞かれず爽やかな青空に消えていった。
続く (更新停止中)
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作者名：ロア | 作成日時：2019年8月11日 15時
