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これは『残念』だなとソフィアはすんなり理解した。
一方のゾロはまだ得体の知れぬ女と妙な胸騒ぎとがあわさっていつもよりも警戒心が強まっているのだ。
そんなことはつゆ知らず、サンジはゾロへと悪態をつきつつ寝起きのレディの前に躍りでる。
｢おはようソフィアちゅわん！飲み物はコーヒーと紅茶どっちがお好みかな？｣
｢味を知らないの。だからおまかせしてもいいかしら。｣
｢わっかりました!!｣
そう言ってサンジはそのまま台所へと戻る。
ソフィアはルフィに促されて指定されたテーブルに着くとチョッパーが小皿に取り分けておいてくれた分を差し出してくれた。
｢とっとかねぇと全部ルフィに食われちまうからな！取っといてもたまにこいつ食うけど……。でもゆっくり食えよ！｣と言う船医。
｢うん｣
やはり、優しい。間近で触れるにはあまりにも暖かく、眩しすぎるくらいの優しさをひしひしと感じる。
ちょうどよくワンプレートに盛り付けられた白い皿を受け取っているとナミがニヤリと笑って口を開く、
｢ソフィア、こーいうときはありがとうって言うものよ？｣
｢そっか、そうね。とても有難いわ。チョッパー、ありがとう。ナミも教えてくれてありがとう｣
｢どーいたしまして！｣
ニッコリと笑うナミと言葉と裏腹に照れるチョッパー。居心地がよかった。
あまりに汚い咀嚼音やブルックから聞こえる下品な音も、取られた取ってないと幼児のように騒ぐ男らも、見ていて飽きず、何故か心が和らぐ。まだ出会ってすぐでもマスターがルフィで良かったと心から安堵した。
ふっ、と思わず笑みがこぼれると目の前に紅茶を置いたサンジがまた嬉しそうに笑ってくれたのもなんてことないにせよソフィアにはたまらなく嬉しかった。
｢おいソフィア！食べる前はいただきますって言えよ！｣
｢それは知ってるわ、ルフィ。サンジ、いただきます。｣
｢おう！たーんと食ってくれ！｣
以前いた所は、定期的に私が死なぬように栄養が補給されるのみで人らしき食事は得なかった。
食事という存在は知っていても、被検体の自分にはそれが当たり前だと思っていたため食事をしないのをおかしく思うのは随分最近のことだったけれど。
空腹が最高の瞬間、丁寧に手を合わせてから1口目を頬張った。その瞬間、ソフィアの知識は全て無へと返ったかと思うほどに頭が真っ白になった。
｢スープでしょう？これ？｣
｢あぁ、そうだが…もしかしてソフィアちゃん、玉ねぎは嫌いだったかな？｣
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作者名：ロア | 作成日時：2019年8月11日 15時
