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｢なーんだ、メカでも肉でもねぇじゃねぇか。｣
｢なぁに言ってるんだてめぇ！心配するのが当然だろうが!!｣
あからさまに残念そうではあるが叱咤を受けたルフィは半ボロボロの状態で甲板に横たえられた女の頬をつついた。
｢おーい、お前、大丈夫か？｣
もちろんだが返事はない。口が軽く開き、目は固く閉じられている。
服は簡易的なものでところどころ汚れてはいるが本人に目立った外傷はなかった。
｢毎度のことだがサンジ、よくこんな子拾ってきたな｣
｢レディが俺を呼んでいたんだ｣
｢はいはい、サンジはそんなやつだよ｣
ウソップは笑いつつもよく分からない女のため少し離れて見物していた
｢いやー、お綺麗ですね。パンツ見せてもらえないですかねぇ｣
｢あんたは黙って。…とりあえず目覚めるのを待たなきゃね。それから話を聞きましょ。｣
しばらく女を観察していた船長は手当たり次第に彼女のあちこちをつつきだす
｢おい！お前！まぁだ寝てんのか？起きろって！｣
｢おいやめろルフィ！レディになんてことしやがる!!てかどこ触ってんだてめぇ！｣
｢起きねぇんだからいいじゃねぇか！｣
｢レディは優しく丁寧に扱うもんなんだ！ほら、いいからどけ！｣
お得意の蹴りが船長に決まるその瞬間、『彼女』がルフィの前に飛び出した
｢い!?｣
突然目の前に蹴らぬと決めた女が飛び出してきたサンジは驚いたがもう既に足の勢いは止まりそうになかった。
『やべぇ！』そう思ったところでなんと、彼女はサンジの足を両手と腹で包んで受け止めた。
ガシャァン！
爆音と何かが壊れる音が響いたと思うと、飛び込んで蹴りを受け止めた女が後ろを振り返ってルフィへと微笑んだ
｢ご無事ですか、マスター｣
｢え…？｣
甲板にいた一味が唖然としている中、救急箱を抱えたトナカイが滑り込んできた
｢なぁみんな！すげぇ落としたけどなんの音だ!?｣
｢………｣
｢…どういうこと？｣
｢よく分からんがなんだかスーパー、な女がいるな｣
続いて船首付近にいたであろうゾロ、ロビン、フランキーが驚きを隠せないまま甲板へ。
｢…ご無事ですか、マスター｣
返事のないルフィに彼女はまた問う。
｢あ、ああ…でもおめぇ、腹が……｣
頷くルフィの目線の先、彼女の腹は抱えられた足とフィットするように赤く染り形の崩れた鉄の塊となっていた。
彼女は船長が無事だとわかったことに満足そうに微笑み、まだ何も言えずにいる一味をそのままにガシャリと甲板に崩れ落ちていった。
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作者名：ロア | 作成日時：2019年8月11日 15時
