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Episode 48 ページ49

「そ、そっか。ありがと!!」
じゃあこれ何着か買うから!と言い、私は急いでカーテンを閉めた。

なんだあれ…

素直に言ってくれただけだろうから嬉しい気もするけどやっぱりああいうセリフは自分にとって大事な人に言うべきだと思うなぁ

少し複雑な気持ちになってふと目の前の鏡に目をやると水色の瞳が揺れた。
昔のことは悲しいほどうっすらとしか覚えてないけど故郷ではよく褒められた。
お母さんから受け継いだこの目は数少ない胸を張って自分の好きなところだと言える。

なんとも言えない気持ちになって息をつくとそこで2人を待たせていることに我に返った。
急いで着替えてカーテンを開ける。

「ごめん、お待たせ!」

「いや、全然」
靴を履いているとやたらふたりがニヤニヤしている。
不思議に思いながら会計をしようとレジへ向かうと「ちょっと便所」と揃って店の外へ行ってしまった。


いい歳して連れションか…!なんてツッコみ、代金を支払う。
定員さんがやっと袋に詰め終わり、私も店を出て周りを見渡すとサボがこちらに手を振っているのが見えた。

「ほら、これやるよ」
近づくやいなやサボはニッと笑い小さな紙袋を目の前に突きだした。

「ありがとう…。なに?これ。」

「空けてみろって!」

そしてまたなぜエースがそんなに笑ってるのか分からないけど袋を開けると小さな箱が入っていた。

「わ、キレー!!」
さらにその箱を開けると中には銀色の懐中時計が入っていた。
蓋を開けると私の目によく似た色の文字盤が光る。

「時計、買うつもりだったんだろ?」
さっき言ってたもんな、とサボが得意そうに目を細める。

「いつの間に?」
お礼を言いつつ尋ねるとずいっとエースが隣に出てくる。

「試着のときに隣の店を覗いたんだ。で、さっき買った。俺は金出してねぇけどな。」

「一瞬で決まったよ。2人でこれしかないって決めたんだ。似合うと思って。」
なるほど、それでサプライズする少年そのものの顔になってたわけだ。

「うん、ありがとう!すごく嬉しい…」
手の中で進む秒針を見つめているとなんだかたまらない気持ちになった。
今まで誰にもらったプレゼントより素敵だ。

「よかったな、サボ。喜んでもらえて」

「あぁ、よかった」

「2人とも最高っ!」
笑顔でそう言うとまた、得意そうに2人は笑い返してくれた。



「それはな、実は自動時刻設定機能付きなんだ!」

「しかも丈夫なんだとよ」


買う物もなくなり、帰り道。
終始私らは笑顔だった。

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設定タグ:ONEPIECE , サボ , ワンピース   
作品ジャンル:恋愛
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ロア(プロフ) - 米さん» 米さぁぁぁん(´:ω:`)ありがとうございます!! (2018年8月30日 20時) (レス) id: 774ed563f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても楽しく読ませてもらってます。活動、頑張って下さい!(*´-`) (2018年8月30日 18時) (レス) id: 3bb50071f4 (このIDを非表示/違反報告)
とう - 気持ち悪い。ていうかBL好きじゃないならわざわざ回答すんじゃねーよ。迷惑。 (2018年8月24日 8時) (レス) id: 54b9eb9af8 (このIDを非表示/違反報告)
ロア*ONE PIECE同盟(プロフ) - ちょこさん» そんな...!めちゃくそ嬉しいですありがとうございます(*゚ー゚*) (2018年8月12日 14時) (レス) id: 774ed563f3 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - はわぁ…!めちゃくちゃ好きで、最初から最新話まで一気読みしてました…次の展開も楽しみにしてます! (2018年8月11日 17時) (レス) id: 66aa572f7c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロア | 作成日時:2018年6月30日 17時

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