Episode 28 ページ29
それからしばらくして船は元いた島に戻ってきた。
一緒にさらわれていた女の子達を無事上陸させひと安心していた矢先、私は一味にきちんとさよならも言えないままサボに担がれてしまっている。
…なんで!?
「ねぇ、サボ」
「なんだ？」
「どうして私を担ぐの？」
納得いかないわ。と睨むとサボはこちらはチラリとも見ずに
「そりゃまた走ってどこか行かれても困るしな。」
とさも当然のように答えた。
「でも私みんなにお別れ言えてないんだけど」
「革命軍にいれば近いうち会える。俺も数ヶ月前にあいつらと会ったばかりなんだ。」
そういうこと言ってるんじゃない…！
「ふーんっ！」
相槌ついでにサボに肘で1発かます。
「うおっ！」
とっさで反応出来なかったらしく狙い通り腕の力が緩んだ。
そのまま地面に着地し、立ち上がる。
「レディは大事に扱わなきゃ！」
少し震えて痛みをこらえるサボに向かって一言。
旅人とはいえ全く戦闘ができないわけじゃない。
「ひ、卑怯だぞ…！」
「だってこうでもしないと離してくれそうにないし…」
サボと離れるつもりは無いと伝えるともう担がないと言ってくれたけど担がれるのは目立つせいでかなり恥ずかしかったのだ。
サボの悶えが収まった後、再び歩き出す。
「しっかし護身術なんてどこで覚えたんだ？」
「…それが、覚えてないの。」
サボが意味がわからないというような顔をした。
「こう見えて今までは自力で戦ってたんだよ。いつ身につけたかはわからないけど体に染み付いてるみたい。」
今回はあの音のせいで捕まっちゃっただけで…と付け加える。
剣も、上手くはないけど人並み以上には扱えるし、武術と銃術は割と得意なのだ。実際そのおかげで旅が続けられていたわけであって。
「私、過去の自分のことあまりよく思い出せないことがいっぱいあってさぁ…」
正直、最近のことは鮮明に覚えていても前に旅していた風景さえもよく分からない。確かにそこを旅をしていたはずなのにどこか雲がかっているようにぼんやりとしてしまっている。
「そうか…でもまぁきっと思い出せるさ。俺もそうだったし。」
だから大丈夫。とサボは私の頭を軽く撫で、ふわりとひだまりのような笑顔を私に向けて少し歩調を速めた。
……今の顔はサボに見せられない。
からかわれた訳でもないのにうるさくなった心臓を抑えて私もサボの後ろをついて歩いた。
そういうの、本当にずるいと思う。
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ロア(プロフ) - 米さん» 米さぁぁぁん(´:ω:`)ありがとうございます!! (2018年8月30日 20時) (
レス) id: 774ed563f3 (このIDを非表示/違反報告)
米(プロフ) - とても楽しく読ませてもらってます。活動、頑張って下さい！(*´-`) (2018年8月30日 18時) (レス) id: 3bb50071f4 (このIDを非表示/違反報告)
とう - 気持ち悪い。ていうかBL好きじゃないならわざわざ回答すんじゃねーよ。迷惑。 (2018年8月24日 8時) (レス) id: 54b9eb9af8 (このIDを非表示/違反報告)
ロア＊ONE PIECE同盟(プロフ) - ちょこさん» そんな...！めちゃくそ嬉しいですありがとうございます(*ﾟｰﾟ*) (2018年8月12日 14時) (レス) id: 774ed563f3 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - はわぁ…！めちゃくちゃ好きで、最初から最新話まで一気読みしてました…次の展開も楽しみにしてます！ (2018年8月11日 17時) (レス) id: 66aa572f7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロア | 作成日時：2018年6月30日 17時
