Episode 17 ページ18
「イテテ……」
私は体の痛みで目を覚ました。一瞬驚いたけど私が連れ去られたことは鮮明に思い出せるからパニクることもなかった。
当たり前だけど両手は後ろに縄で縛られており、現在進行形で床に横ばいになっている。
重たい身体と裏腹に頭がなぜかスッキリしていて変な気分だけどどっちも働かないよりはマシだよね…
どうにか首を動かし周りを見回すと地下室のような部屋で空気がひんやりとしているのがわかる。
それに、不自然にゆっくり揺れているからきっとここは船内。そして、私の他にも何人もの気を失った女の子が拘束されているのが見える。
…あれからどれぐらい経ったんだろう。
これはきっとさっき電伝虫で聞いた海賊船なんだ。
脱出しようにも防御術程度なら身につけてるだけだしなんにもの人を相手する体力もないし…
でも、この縄なら簡単に解ける。それは得意だから。
もぞもぞと動いて縄を解き、起き上がって座る状態にはなれたもののさっき言った通り体は最高に重たく、だるい。
この中に誰か戦闘の得意なゴリゴリの人がいればよかったんだけどあいにく全員華奢で可愛い人達だった。
私から一番近くに座っていた大胆な格好の女の子にそっと近づき、手の縄を解くと、女の子が動いた。目が覚めたみたい。
「…あ、あなたは？」
その子は私と同い年ぐらいの勝気な瞳とオレンジ色の髪の毛が素敵な美女だった。
「私はA。あなたも海賊にやられたんだね…」
「急に大きな音がしたと思ったらここに来ていたのよ。」
縄、解いてくれてありがと。まったく、とんでもない奴らがいるものよねと言いながらその子は立ち上がった。
「私はナミよ。私も海賊してるの。海賊は嫌いなはずなんだけどね。」
ぺろりと舌を出しウインクするナミ。
「海賊が海賊に連れ去られたの？」
「それだけ私が魅力的ってこと！」
初めてじゃないもの、誘拐なんて。
そのうち私の仲間が助けに来てくれるはずよ
だから安心しなさい！
そう言ってナミは伸びをした。
「すごい余裕あるね…。すごいや」
思わず笑ってしまう。ナミのおかげで誘拐されているなんて一瞬でも忘れてしまうほどにリラックス出来ていることに気づく。
「私の仲間は化け物みたいに強いんだから！」
特に船長がね。そう言いながらナミは他の女の子の縄を解く。
「素敵な仲間だね。」
助けに来てくれる人がいるのは、羨ましいなぁ…
1人での旅は自由だけど仲間なんていないもの。
少しだけ心臓がキュッとした気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ロア(プロフ) - 米さん» 米さぁぁぁん(´:ω:`)ありがとうございます!! (2018年8月30日 20時) (
レス) id: 774ed563f3 (このIDを非表示/違反報告)
米(プロフ) - とても楽しく読ませてもらってます。活動、頑張って下さい！(*´-`) (2018年8月30日 18時) (レス) id: 3bb50071f4 (このIDを非表示/違反報告)
とう - 気持ち悪い。ていうかBL好きじゃないならわざわざ回答すんじゃねーよ。迷惑。 (2018年8月24日 8時) (レス) id: 54b9eb9af8 (このIDを非表示/違反報告)
ロア＊ONE PIECE同盟(プロフ) - ちょこさん» そんな...！めちゃくそ嬉しいですありがとうございます(*ﾟｰﾟ*) (2018年8月12日 14時) (レス) id: 774ed563f3 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - はわぁ…！めちゃくちゃ好きで、最初から最新話まで一気読みしてました…次の展開も楽しみにしてます！ (2018年8月11日 17時) (レス) id: 66aa572f7c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ロア | 作成日時：2018年6月30日 17時
