23話 ページ23
やがてあの日の件以来、私と宮舘さんは、必要最低限のことしか話さなくなってしまっていた。
海の件があり、2ヶ月経ったそんなある日、文化祭の準備で、休日のうちに遠出して必要なものを買い出しに行く日。
今日はあいにくの雨。
待ち合わせ場所に行くと、宮舘さんだけしかいなかった。
「あの…、阿部ちゃんは来てないんですか？」
宮「今日は、阿部どうしても外せない、急用が出来ちゃったらしく、来れないって」
「そうだったんですね…」
ショッピングモールに着くまでに、2人の会話は一切なく、2人の間には重い空気が流れていた。
宮「じゃぁ、Aさんはこっちの方買ってきて。俺はこっちを買って来るから。終わったら、ここに集合ね。」
そう言うと彼は私にメモ用紙を渡してきた。
「分かりました」
購入品を見てみると、どれも軽そうなものばかりで、彼の優しさを実感する。
買い物が終わり、待ち合わせの場所に行くと、まだ彼の姿がなかったから、座って待つことにした。
私の周りをキョロキョロしてる怪しい2人組がいた。
その気配に気づき、私は電話しようと宮舘さんに、電話をかけていた。
結局話しかけられて、彼の声は聞けないまま
？A「ねーねー、君1人？」
「なんですか？」
？B「1人で暇なら、俺らと遊ばない？」
「今、人を待っているんで」
うーわ、最悪。こんな時にナンパ。
？A「暇な人でも、そう言う人ばかりだからいいじゃん」
そう言うと強く腕を引っ張られ、無理矢理立たされた。
「やめて。痛い…」
大声を出したかったけど、怖くて出さずに、今にも泣きそうだった。
？B「泣きそうな顔も可愛いじゃん。ほら、こっち行こう。俺…もう我慢の限界なんだよね」
抵抗も虚しく連れ去られそうになる私…、涙しか出ない。
そんな時に聞き覚えのある声が聞こえた
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作者名：まど | 作成日時：2021年10月12日 1時
