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この花は食べられないものだろうか。
嗅いでみるといい香り。試しに1枚口に入れてみる。
「うえっ……まずい」
食用花では無かったようだ、口からゲロゲロ出てしまった。ドレスに付いていないからセーフにして。
(それにしても……)
右を見ても左を見ても、人人人。観客だらけで、ラギーを探す暇なんて無さそうだ。レオナさんはパレードなら自分もサボりたいから手助けしてやると言ってはいたけど王族がそれでいいのか。
もう少し先で道が枝分かれした広場に出る。
そういえば、過去に似たような光景を目にしたことがある、あれは何年前の事だっただろうか。
＊＊＊
『お腹すいたなあ、この花食べられないの？……うえっ、まずい』
寝坊したらご飯は抜きにされて。果物は食べるなと口を酸っぱくして言われているから、撒くための花を毟ったら余計に怒られた。
『お嬢、花は食べ物ではありませんよ』
『あっ……』
『ちょっ？！お嬢！！』
地面に散らばる色とりどりの花びら。賑やかな街の人たちの声と屋台から立ち篭める家とは違ういい匂いにお腹を空かせていた私は人混みに紛れて列から抜け出す。
それだけじゃない、こんなに騒音だらけの街でもあの子の声が聞こえたから。
『いかがっスかー！今なら大サービスしてるっスよー！』
同い歳ぐらいの可愛いハイエナのオトコノコ。
「いかがっスかー！名物のサバンナ焼き、いかがっスかー！」
「……そうだ、あの日もパレードだったんだ」
なんで忘れていたんだろう。耳に届いた声は記憶の中のものじゃない、今のラギーの声だ。
どんなに周りが騒がしくても、私の耳はラギーの声を逃さない。
「一度食べたら忘れられない、そんな味っスよー！」
過去と現在の違う点があるとするならば、私もラギーも既に子供ではないということ。当時のラギーが営んでいた場所よりも遥かに手前に店があるということ。
それから。
「パレードに花火なんていかがっスかー？」
ラギーが私を、見つめているということ。
私がラギーを見つけるよりも、ラギーが私を先に見つけていた。咄嗟に逸らそうとしていた目線は逸らせなくて、嫌なぐらいにハッキリと自分の心臓の音が聞こえてくる。
言わなくちゃ……なにか、ラギーに。
「らぎ、」
「……っとに、仕方ないなあ。んじゃあ特別サービスッス」
シシシッと笑う彼は、小さな球体のようなものを地面に叩きつける。瞬間、辺りは煙に包まれた。
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愛(プロフ) - 遊ちゃん_SKZさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました！ 喪失感…ですか！とても楽しんでいただけて良かったです！ありがとうございました！私も大好きです☺️🙏 (2021年11月28日 20時) (
レス) id: 1c0863e534 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 泡沫さん» 最後でお付き合い頂きありがとうございました🙏 伝えたい事が伝わっていたのならば良かったです☺️楽しんで貰えてなによりです！嬉しいお言葉ありがとうございました☺️🙏 (2021年11月28日 20時) (レス) id: 1c0863e534 (このIDを非表示/違反報告)
遊ちゃん_SKZ(プロフ) - 完結おめでとうございます😭😭アニメが終わった時の喪失感並みに喪失感やばいです、、(大丈夫？)マッッッジで面白かったです！！白虎ちゃんのようにこの作品を追えて幸せでした🥰また面白い作品待ってます！！！！大好きでs(( (2021年11月28日 11時) (レス) @page50 id: fe8355afed (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!もう語彙力の塊で表現の仕方がとっても上手で、すごく面白かったです！ (2021年11月28日 11時) (レス) @page50 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 泡沫さん» 甘噛みするラギーくん絶対に可愛い……と思って書いちゃいました☺️ 絶対に可愛いですよね！！ (2021年11月27日 23時) (レス) id: 1c0863e534 (このIDを非表示/違反報告)
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