第17話 ページ19
ガラガラ
『こんにちは！』
店長｢おっ！いらっしゃい！！ここの席に座ってくれ！｣
『はい！！……冨岡さん何頼みます？』
冨｢……ざるそば｣
『じゃあ私も同じもの頼みます！あの、すみませーん！ざるそば2人分お願いします！』
店長｢あいよ！｣
店長｢ざるそば2人前お待ち！！｣
『わぁ！美味しそう！！では、頂きます！』
冨｢……いただきます｣
ズルズルッ
『美味しい！美味しいです店長！！』
店長｢おう！それなら良かったぜ！｣
冨｢………｣
『？冨岡さん。何を見てるんですか？』
冨｢……これ……｣
目線の先には,幸せそうな3人家族の写真が
飾られてあった。
左に女性 右が……多分店長
そして真ん中に女子が嬉しそうにピースしている
『いい写真ですね。娘さんいらっしゃるんですか？』
店長｢………娘は1ヶ月前に死んだ。｣
｢『！？！？』｣
『えっ、あっ、その…ごめんなさい……』
店長｢いや、良いんだ。別に。
娘は…本当に優しい子でな。近所の人達からも
可愛がられてた。でもある日,突然帰りが遅いと思って迎えに行ったら……血だらけになって倒れてたんだ。｣
冨｢………その場所は？｣
店長｢確か…そこにある山だったな。｣
『！！(これで確定だ)なるほど……』
店長｢はっ！すまない！こんな暗い話…蕎麦がまずくなっちまう！｣
『そんな事ないです！それに、蕎麦美味しかったです！』
冨｢……美味かった｣
店長｢ふっ……そうかい！そりゃ良かった！兄ちゃんも姉ちゃんも山には気を付けろよ！｣
店長は涙ぐみながら私たちの肩をポンと叩き、
私たちはお金を払って店を出た。
『……やはり鬼は子供狙いですね。』
｢……あぁ。もう日も暮れてきたし…そろそろ行くか。｣
『……はい！』
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作者名：葉月 | 作成日時：2021年8月3日 21時
