ifひゃくさんじゅういち・分岐(記憶)◇ ページ19
五年間───
記憶を取り戻してから必死に彼女を閉じ込める計画ばかりを練っていた。
彼女のやりたいことをある程度時間を与え、尊重させた上で、作り出された運命的な出会いを果たし、次こそはもう逃げれない。
家も彼女を閉じ込めておくためだけに建築士と話し合い、完璧な空間を作り上げた。
彼女は俺の隣で幸せになる。
もう二度と外部の危険から彼女の命が脅かされることがないように。
「A」
彼女の写真集を見つめ恋焦がれた。
俺の心の拠り所であり、唯一の心の底から安らげる存在。
彼女は突き放しても何度も俺の前に現れ、離れることがなかった。
それほどまでに愛情深い彼女。
彼女の記憶を呼び覚ますことができれば、俺達は今世では幸せになれる。
彼女の前世の婚約者は花さんだ。しかし、彼女とは結ばれることは今までの反応から見るに決して無いだろう。
今までの彼女への想いや執着はやはり前世から続く、運命だったのだ。
俺にもう迷いが生じることは無い。
***
「A」
「杏寿郎さん、おかえり!」
腕を広げて笑うA。
俺を受け止めてくれるA。
俺が抱いていた全てを受け入れ、愛してくれるA。
彼女は愛情深く、俺を深く、俺よりも俺を知ろうとしてくれて、俺が隠そうとする感情に気づいて。
優しく抱きしめてくれる。
今までのAも愛している。
そして今のAも愛している。
どちらの彼女も必要で、混ざりあった今が完全な状態である。
「ただいま戻った!」
俺は笑顔で彼女を抱きしめ返した。
彼女はありのままの俺を受け止めてくれる。
もう二度と離れることは無い。
❀
丸より
こっちが本編っぽいような気がしますが、あっちが本編です!
こちらが完全な気もするんですが、Aちゃん、前世の彼女を思い出し、かつその時の強い感情に当てられて、乗っ取られてます。
なので恐怖心も何も無くなってしまって完全に受け入れることができてます。
兄貴は乗っ取りはされておらず、記憶を思い出しただけなので、乗っ取られてません。
ということで、ifシリーズも終わりましたので、今度こそ完結となります!!
長い間、ありがとうございました!
評価、コメント、♡、ありがとうございました!
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