バレンタイン編*大好きなので別れましょう! ページ1
「杏寿郎、私は山で三日間心身ともに清めた後、祈祷を行います。そして杏寿郎への捧げ物を作ろうかなって思っています」
「うむ、前半が全く意味が分からないな!!」
私は杏寿郎と正座をして向き合った。
もうすぐビッグイベント……結婚後のバレンタインデー。
昨年を超えるようなものを行わなければならないと私は思う。ショボイものを我らの杏寿郎に渡す訳にはいかなかった。
覚悟を決めた顔をして、扉を開けようとする私を尊い杏寿郎は止める。
「杏寿郎…止めないで、私はもう決めたの」
「A、俺はその気持ちだけで充分だ!!行くな!寂しい!!」
───杏寿郎!!
彼はなんて優しいのだろう。気持ちだけで充分だなんて。
でも私は杏寿郎ガチ勢。やると決めたからにはやる。
「ごめんね、でもバレンタインデーまでには必ず戻ってくるから」
「君が半年前に有給の申請をした日、俺も申請した!!!バレンタインデーを含めた五日間、朝から晩まで君と居るつもりだ!!」
なんて可愛らしい事を…!
もう杏寿郎が尊過ぎるのだ。
結婚したが、杏寿郎の尊さが衰えることはなく、むしろ以前よりさらに尊さが増していた。
「A、君の熱意は充分伝わったし、とても嬉しい!!君を堪らなく愛おしいと思う!!」
「杏寿郎っ…!」
「A、俺を置いて一人で行かないで欲しい。君がどうしても山に行きたいのであれば、俺も行こう」
杏寿郎の瞳は本気だった。
それほどまでに強い意志だった。
杏寿郎を山に三日間も…危険すぎる。
心配だ。
いや、神に愛されし男、杏寿郎であれば万が一なんて事はない。分かっているが、連れて行きたくなかった。
山で身を清める計画はできそうになかった。
「…杏寿郎…でも……!!」
「でも、じゃない。君が居てくれればそれだけで嬉しい」
「バレンタインデー休むの?杏寿郎……」
「うむ!!元より俺は君以外に貰うつもりは無い!!そして…君が他の輩に義理であっても渡すのは許さない!!
」
当たり前だ。絶対にそんな私が居たら許してはダメ!火炙りに処すべき!!杏寿郎を傷つける私は存在してはダメ。
そして、相変わらず杏寿郎、妻がいるからチョコレートは貰わないスタンス、カッコイイ!!優しい!!好き!!でもせっかく生徒が作ってくれたのなら貰ってあげて欲しいなとも思ってしまうところ。
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