QKと守ってあげたい系女子

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伊沢side

カァッと頭に血が上るのが分かる

思わず男をぶん殴りそうになったがAちゃんの声で正気に戻った

確かにここで殴ったら正当な理由があったとしても世間の話題には上がるだろう、東大王もどうなる？
QuizKnockだってまだ軌道に乗り始めたばかりだ
手を引っ込めると男は逃げていった
追いかけて警察に届けるべきだが
今はAちゃんの状態確認の方が先だ

握られていた、細く白い腕が赤くなっている
体はカタカタと震え、今にも泣きだしそうだ

とにかくここは男子トイレなので腰が抜けてしまっているAちゃんを外に出す

すると、Aちゃんの目からボロボロと大粒の涙が零れ落ちた

一気に罪悪感が襲ってくる。
俺のせいだ、俺が1人にしたから
情けない、まだ上京してきたばかりの18歳の女の子だぞ？どれくらい恐怖心を与えたか分からない。
PTSDを発症したらどうする、男性恐怖症になったら？色々な考えが頭を巡る

伊沢「ごめん、1人にして、俺の責任だ」
そう言って、こんな状態じゃ歓迎会どころではないと思い帰ろうかと提案する

すると、Aちゃんは俺の責任じゃないとか言うし、買い物を再開してオフィスに帰るって言うし、
自己犠牲が甚だしい……

しかし今は彼女の意志を優先するべきだと判断した


迷惑かけてごめんなさいと謝り俯く彼女を見て、無意識に抱きしめた





君のせいじゃないよ。頼むから、そんなに抱え込まないでくれよ。見てて辛くなる。
Aちゃんの小柄な体を強く抱き締める

何してんだよ俺。
セクハラだろ。てか男に襲われた後にすぐ抱きしめるって最低だ。
Aちゃんから離れようとすると

Aちゃんが俺のシャツをぎゅっと握りしめる

身体を震わせ、声を殺して泣く彼女を抱きしめながら絶対にこの子は俺が守る。と決めた



こんな感情になるなんて、思いもしなかった。ましてや会ったばかりの女の子に。
自分でもらしくないなと思う。


でも、もう止められない。


暗い夜道を2人で手を握りながら帰る



もう二度と彼女に怖い思いをさせないために

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