生まれて来る性別間違えた。 (ページ6)

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ep.3 ページ6

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案外単純な男達はヒョロ長男、基絵心さんの言葉に上手く乗せられ馬鹿みたいに走って行く。
光の道へ無我夢中に走って行く姿は少々滑稽に見えて。

『...はあ、男って何でこんな馬鹿みたいに振る舞うんやろ。』

凛「おい、御前。」

『まだ居ったんかいな弟君。』

凛「その呼び方止めろ糞。ゲロ吐く。
...御前に負けたあの日から、糞みたいに蔑まれた視線で見下ろされたあの日から、御前を殺したくてコチトラ疼いてんだ。

中途半端で消えんなよ、糞野郎。」

案外、この男は僕の事が大好きでしゃあないらしい。
好きの反対派無関心だ、とよく言った物。疼く程の感情を向けられたのは冴ちゃん以来か。

『僕の事大好きな事はよお、伝わったわ。この最高な見た目の僕が無様な事する訳無いやろ。
精々、僕が一番大好きな冴ちゃんの事超えてから物言えや。弟君？』

凛「態とやってんだろが、反吐が出んだよその呼び方。気色悪い。」

『僕、君の名前知らんし。しゃあ無しやろ。』

凛「凛だ、タコ。その薄っぺらい脳味噌のど真ん中に叩き込んどけ。」

また睨まれては其の儘歩き出す背を見詰める。
凛君な。お口が達者な所は兄弟揃って同じの様だ。

再度、届いたメッセージの通知。
俺を差し置いた用事は何だ、幼馴染が日本に帰って来るからか歓迎するのが筋だ、と。噂をすれば、束縛彼氏の様な言葉の羅列。

僕に逢いたい気持ちを遠回しなのか、其れとも或る意味ストレートなんか解らん言葉で送って来る冴ちゃんの愛情も相当重たくて、僕好み。
もっともっと落ちれば良い、そんな糞感情で無機質な文字をスライドさせてく。

『ブ、ルー、ロックで、取り敢えず、冴ちゃん好みの、男になって来る、』

送信を表す飛行機のアイコンをタップすればやっと、壁に寄り掛かった腰を上げ、紫髪と白髪の子を横目に其の儘真っ直ぐ扉へと脚を進める。

刹那に聞こえた可愛い、の声に当たり前だ、と見下ろすのみ。2人共綺麗な顔をしているとは思うが僕程では無い。

ファンサービスだ、と軽く手を振れば絵心さんと一瞬目があった様な気がして。

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『僕の容姿とプレーに腰抜かさんといてくださいよ、バッキューン。』

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貴方が求めるエゴイストになって見せるのはこの僕や、と見せしめとこっと。