葛i葉 5 ページ30
「葛葉って、今何歳なの」
ぴくりと、葛葉の肩が動いた気がした
「あー、俺、ちょっとコンビニ行ってくるわ」
そう言って逃げるように立とうとする
言いたくないようなことなのか、それでも私はこのもやもやを残したくなくて、服の袖を掴んで止めた
葛葉は、はぁ、と嫌そうにため息をつくと諦めたように座り直す
「やっぱ、気になるよなぁ」
言うか言わないか悩んでいるんだろうが、私にしては焦らされているようにしか思えない
早く答えが聞きたくて葛葉を見つめていると、あんま見んなよと頬をぽりぽりとかきながら目を逸らされた
「、、歳だけでいい？」
ちらりと、気まずそうにこちらを見てくる
「答えによってはもっと聞くかもだけど、一旦それだけでいいよ」
こちらは真剣に先を促したはずなのに、私の返答に葛葉はふはっと吹き出した
ド直球すぎだろｗｗとけらけらと笑っている
「はー、そういう本音しか言えねぇの、お前のいいとこだと思うわ」
時々腹立つけどな、と私に向かって意地悪に笑いかけた
一言余計だと私も笑顔を返す
ふぅ、と息を吐いた葛葉の表情には先ほどまでの迷いが見られない、すこし押し黙った後ゆっくりと口を開いた
「100、は越えてる、てかそのあたりからもう数えてねぇ」
やっぱり、葛葉は普通の人間じゃなかったんだ
なんとなく察していたのであまり驚かない私に、反応うっす、、と戸惑っている葛葉
「葛葉は何者なの？」
ずいずいと話を進められて、結局聞くんじゃねぇかと苦笑する
「ヴァンパイア、的な」
綺麗な白髪と赤い目、私が惹かれたそれらは思いっきりその言葉のイメージをかたどっていて、なんで今まで気づかなかったんだろう、そんな思いを込めて確かにとつぶやくと何に納得したんだよと突っ込まれてしまった。
「なんで今まで言ってくれなかったの？」
18年も一緒にいるのに、そんな大事なことを教えてくれなかったなんてわざととしか思えない
「別に聞かれんかったし、それに言って怖がられたらだりぃ」
ボソッとした声で発する葛葉
その言葉はどう考えても”私に離れてほしくなかったから”という意味にしか聞こえなくて
自意識過剰かとも思うが、葛葉の顔は照れているのか少し赤みがかっている
自意識過剰でもいっか
私は立ち上がると葛葉の目の前まで近づき、その頭に手をのせた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 694人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ししゃも(プロフ) - 長月さん» リクエストありがとうございます！！リクエスト了解しました、、！順次書いていたますのでゆっくりお待ちください！ (2021年10月6日 1時) (
レス) id: a45d2df81a (このIDを非表示/違反報告)
長月 - いつも楽しく拝見させていただいてます！リクエストなのですが 長尾さんをお願いしたいです｡無理せずこれからも頑張って下さい！ (2021年10月5日 21時) (レス) id: d1cbbfbabb (このIDを非表示/違反報告)
ししゃも(プロフ) - 紫苑さん» 手違いで非公開になってしまっていました、、！ご指摘ありがとうございます！！ (2021年9月30日 8時) (レス) id: d578d25a40 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 鈴原るるの2がないのですが...。更新ありがとうございます！いつも楽しみにしてます！ (2021年9月30日 5時) (レス) @page40 id: 3d7fe67ed7 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタの2434好き - ししゃもさん» 有難う御座います。誤字りましたｗｗ御体にお気を付けて、更新頑張って下さい (ししゃも様の書く話が私得すぎて悶え死ぬッ!!!) (2021年9月29日 19時) (レス) id: cfb75b9330 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ししゃも | 作成日時：2021年8月27日 1時
