そして、私は嘘をつく。 (ページ2)

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プロローグページ2

私と彼が出会ったのは、6歳の頃だった。

眩しい太陽が照りつけるその日、私は家の中にいて、外の様子を見ていた。
大きなトラック。大量の荷物。見たことのない、人。
きっと、隣の空き家に引っ越してきたのだろう。

その光景を見て、私はきっと興味が湧いたんだと思う。
好奇心旺盛な6歳児には、その感情を押さえつけるのが難しかった。

すぐさま外に出て、それらに近寄っていく。
お母さんに止められたけど、お構いなしだ。

すると私は一人の男の子に気がつく。
同い年ぐらいの、男の子だ。

『きれい…』

私は見惚れてしまって、その場に固まってしまう。

サラサラの髪、大きな目に筋の通った鼻。
何より一番、印象的だったのが、その男の子がとても楽しげな表情だったから。

(こえ、かけてみたい)

私はその思いに駆られて、男の子に近づく。
引き寄せられるように。

『ね、え…』
？『…？』

その男の子は酷く、驚いた様子だった。

『なまえ…おなまえ、おしえください！』
？『ぼくは…』

その時、鳥の声が聞こえた。
風が、優しく吹いた。

理『ぼくは、りつき』

また、私は見惚れて固まってしまう。
きみは、と聞かれて、私は一瞬だけ反応が遅れて、自分の名前を言った。

『A、Aっていうの』

私は、自分の名前が言えたのが嬉しくて、ついつい笑ってしまう。

『えへへ…』
『よろしく。Aちゃん』
『…！うん！』

これが、私たちの出会い。
大切な、理月と私の出会いだった。

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2018/12/09 作