#61 飛んだ理由 ページ14
Ginpati-side
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「お前か、昨日窓から飛び降りた大馬鹿野郎は」
「はいっ」
そう笑顔で答えるのは昨日の放課後窓から飛び降りて、怪我をした大馬鹿野郎。三階から飛び降りたくせに、かすり傷だけで済むという妙に運の良い奴。
――ま、そういう訳で今こいつを教室で皆がいる前で堂々説教してやっているわけだ。本来なら校長室行きなんだろうが、もう顔も見たくないと俺に任せられたわけなのである。
校長にも呆れられるほどのコイツを、俺が呆れないとでも。こんな奴もう生徒だと思いたくねぇよバカヤロー、って感じだわ。
「なんでんな馬鹿なことした」
「テンション上がってたからですー」
なんてヘラリと笑いながら。俺は頭をガシガシと掻くと、一旦息をついて間を置きまた話を続けた。
「あのな、人生が嫌になって飛び降りるのは馬鹿野郎だ。けどテンション上がって飛び降りる奴は、超スーパーウルトラスペシャルドリームファンタスティックビリーザブートキャンプファイヤー馬鹿野郎だ覚えとけ」
「はい!」
「なんでツッコまないの!?明らかにおかしいの後半混じってたじゃん!関係ないじゃん!」
「うるせーダメガネ。超スーパースペシャルドリームウルトラファブリーズレノアハピネスハミングダメガネ」
「長っげぇえええよ!!つか後半ほとんど消臭剤と洗剤じゃねぇか!」
あーあーうるせー、とそれ以上ツッコミ野郎を喋らせないように適当に会話を終わらせる。叱ったはずのAは未だニコニコと笑っており、周りに花が浮いているほど。
「・・・つかお前、なんで飛び降りるほどテンション上がってたんだよ」
「え?聞きたいですかぁ?しょうがな――――」
「じゃあいいわ」
聞いてくださいよ、と涙目。しかたねーなと言わんばかりにため息をするとAはもったいぶるように間を開けて、自分の手を合わせると笑顔でこういった。
「オッキーが花火大会一緒に行ってくれるって!」
その瞬間ガラリと開いた教室の扉に立っていた男に、視線が降り注がれた。
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御影沙羅(プロフ) - これからも、頑張って下さい!!応援してます! (2015年1月29日 20時) (レス) id: efba3898be (このIDを非表示/違反報告)
栗兎(プロフ) - 御影沙羅さん» 涙してくれたなんて嬉しすぎます・・・・!!・゚・(ノД`)・゚・ ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します(*´∀`*) (2015年1月29日 20時) (レス) id: 199452a05e (このIDを非表示/違反報告)
御影沙羅(プロフ) - 何でかわからないけど54話ぐらいから、涙があふれてきてとまらないよぉぉぉ〜!!(涙) (2015年1月27日 22時) (レス) id: efba3898be (このIDを非表示/違反報告)
栗兎(プロフ) - 美咲さん» そそそ、そうですか!?:(;゙゚'ω゚'): そう言って頂けて嬉しいです(*ノωノ) これからもカッコいい沖田くんがかけるよう頑張りますね! (2015年1月23日 20時) (レス) id: cf9d2254e9 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - あぁ…本当に素敵だと思います。この小説。ドキドキするしキュンキュンする。 (2015年1月23日 20時) (レス) id: 03b867affd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗兎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kuri-Rito/
作成日時:2015年1月6日 16時