【銀魂】飽くなき不良と苺味【沖田総悟】

＃58　"コイツだから" ページ11

「･･･ありがと」


「は･･･?」




なんて返事が返ってくるのかと思っていたら、意味がわからない。なんで礼を言うんだ？と咄嗟に顔を上げてみれば、こちらに向くのは微笑み。

･････似ても似つかねぇのに、妙に姉さんと重なってまた辛くなる。



それを見ているのが辛くて、逃げ出そうと思った瞬間。･･･身体を優しく包んで、背中をトントン、と。一瞬状況が理解できなかったが、感じ慣れた体温と香りですぐにわかった。


何も言わずにただ抱きしめられている。それだけなのに、"無理しなくていいよ"という言葉が頭に直接響いてくるよう。




―――頭を撫でる小さな手とか、やっぱりどこか連想させるものがあって。





「･･･っクソ･･」





涙が止まらないようになってしまって、情けねぇったらありゃしねェ。･･･誰かに、コイツに涙見せるなんざ。






―――そう思っていても、どこか安心してしまう自分が居た。



何か重荷がとれた気がした。





･･･多分、これで他のやつならちょっとぎこちなくなってんだろうな、とか。



ちゃんと泣けねぇんだろうな、とか。








　









　









　








･･･きっとコイツだから―――、



――――･･･嫌になるほど心が軽くなった。





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