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みんなお仕事再開。
私はコーヒーを淹れてきてくれと課長に頼まれて、
給湯室に行った。
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「…A」
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…!
やだ…振り向かない…
…けど、
「こっち向いてよ」
って苦笑いされてどこか切なそうだったから、
ゆっくりと拓也の方に振り返った。
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「…久しぶり」
『…うん』
「元気だった?」
『元気…だったよ』
「俺がここに来たとき、びっくりしたでしょ?」
『そりゃっ…!!…びっくりするよ』
当たり前じゃない…!
拓也がここに来るだなんて、想像もしてなかったんだもん
ていうか、
私がここに勤めてるの、前から知ってるよね…?
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「…。」
『…。』
『お、お仕事、戻られたらどうですかっ…?』
「なんで敬語になんの笑」
『ここはっ…、職場ですからっ…!』
「はははっ、A変わんないね」
今の言葉にドキドキする私。
どうかしてる。
「じゃあ戻るわ。これからよろしく」
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シュルシュルー・・・
拓也が給湯室から出て行ってから、
魂が抜けるみたいに下に崩れ落ちた。
どうしたの、私。
もしかして久しぶりの拓也にキュンてしてる…?
あんなに許さないって怒ってたのに?
ひどいって、拓也なんか大っ嫌いって言ってたのに?
もう頭の中ぐちゃぐちゃ。。。
もう二度と、会うはずないって思ってた。
だって、冬前に別れたんだもん。
それとなっては、今は春。
新社員が来るならわかるけど、
転勤してくる人がいるって聞いたとき、
一瞬おかしいなって思ったもん
凛が急いで内線してくれたのも、
拓也が受付の前通ったからなんだね
拓也がうちの会社に来て
訳わかんなくなっちゃってるっていうのに、
さっき拓也がくしゃって笑ったとき、
北山さんが一瞬頭に浮かんだのはなんでかな…
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作者名:あかやま。 | 作成日時:2016年5月22日 21時