今でも月は綺麗ですか

. ページ9

.

ふっかの一言にドキッとした。

「え？」


fk「あべちゃん最近無理してない？
…って理由は俺か。ってかめめか。」

(あ…また苦笑い…)

なんか色々バレてるって事に焦るよりも
ふっかにそんな切なく、
無理に笑わせてしまっているのが
自分だということに気付いて
罪悪感に襲われる。


「え…どういうこと？」
咄嗟に出た言葉はなんのフォローにもならなくて。
情けなさにまた自己嫌悪。

fk「いやいや。
あれでバレてないと思ってたの？
あべちゃんはともかく、
めめは分かりやすすぎだって。」

クスクス笑うふっかを見て
さすが、よく見てるなって感心する。

いや、これに関しては目黒が
分かりやすすぎだったのか？


fk「ちなみに、俺以外もみんな気付いてるよ？」

後者だったかぁ…。


でも、気付いていたなら…

「…気持ち悪いとか思わなかったの？
みんな何も言ってこなかったし
態度だって昔から全然変わらなかった…。」

みんなからどう思われるかすごく怖かったから
目黒と付き合い始めた時に
誰にも打ち明けない事をお願いした。

大好きな人たちを
大切な場所を
失いたくなかったから。



fk「なーんで2人を気持ち悪いとか思うのよ。
阿部は阿部で、目黒は目黒。
ずっと俺らが知ってる優しい2人じゃん。
そこは何一つ変わってないでしょ。
あー幸せなんだな、よかったなとしか
思わなかったよ、みんな。絶対。
特に話し合ったわけじゃなかったけど
静かに見守ろうと思ったんじゃない？それぞれがね。

んまぁ、佐久間に関してはめめへのマウントが
めちゃめちゃ酷くなったけどね？」


そう言って悪戯っぽく笑うふっかの
変わらない優しさに泣きそうになる。
ふっかだけじゃない。
俺は本当に最高の仲間に出会えたんだな、って
心の底から幸せだと思った。



.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す