. ページ16
.
ふっかさんが
あー とか うー とか唸り声を挟んで
俺のせいだー なんて
気まずそうに続ける言葉を聞きながら、
俺はここ最近の自分の行動やら
取材での受け答えやらを思い出していた。
時間を重ねるにつれて
自分の中であべちゃんを好きな気持ちが
どんどん大きくなっていって、
気付かないうちに外にダダ漏れになってて。
後で自分のところをチェックした時に
これは出すぎだな、って思うことが増えた。
《めめは阿部ちゃん好きすぎ》とか
《めめあべはガチ》なんてSNSで盛り上がってたし。
俺は別に誰にバレてもいいと思ってたけど、
『こういう仕事をさせてもらってる以上は
プライベートはきちんと隠し通すべき』っていう
責任感の強いあべちゃんの言葉に納得して、
仕事の時は気持ちが出すぎないように注意してた。
だから、岩本くんには悪いと思ったけど
あべちゃんとのことを知ってるふっかさんなら
ってことで、予防？みたいな感じで
その手の質問には意識的に
ふっかさんの名前をあげたり、
くっついたりすることが多かった。
fk「まぁ照の疑いは一瞬で晴れたらしいけど。
よく分からんけど
『お前はやっぱりお母さんだな』って
ニヤニヤしながら言われたわ。」
…若干岩本くんへのイジりも入ってたの、
きっと岩本くんは気付いたんだろうな。
だって最近の岩本くんの俺に対する目、
兄貴ってかお父さんみたいだったもん。
俺もラウールと一緒に家族グループに入った？
って思ったもんね。
そうじゃなかったら俺今こんな笑えてない…
だけど。
一番大切なあべちゃんは、
俺がふっかさんを好きになったって
思っちゃったのかな。
あり得る。
あんなに魅力的なのに
どこかで『俺なんか』って
思っちゃうところがある人だから。
なんでも真っ直ぐ言葉にするところが
俺のいいところだってみんな言ってくれるのに、
最近の俺は彼の優しさに甘えて
肝心なことを伝えられてなかったって
ようやっと気付いた。
iw「阿部がまた今お前らのこと切なそうに見てたぞ。
俺の大事な弟、これ以上悲しませるなよー」
近付いてきた岩本くんからそう声を掛けられて
「次のメンバー全員での撮影の日、
あべちゃんとちゃんと話す。
手遅れになる前に。」
次の撮影の後、あべちゃんも俺も
久しぶりに時間が取れるから。
ちゃんと話して、絶対に手を離さない。
岩本くんは、そう決心した俺の頭を
お父さんみたいなあの笑顔で撫でて
ふっかさんを連れて行った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 296人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Riri(プロフ) - はるはるさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいです^^* (2022年12月1日 4時) (
レス) id: 5870d7c47a (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - すごく素敵な物語でした!! (2022年11月28日 19時) (レス) @page21 id: 41ab1a7d62 (このIDを非表示/違反報告)
Riri(プロフ) - stwamhrsgrさん» 夏目漱石です！！！ あとがきを書く直前に福沢諭吉の名言的なものを読んでいたので間違えて書いてしまいました… ご指摘ありがとうございました🙇♀️ (2022年10月29日 3時) (レス) id: a65e6328d2 (このIDを非表示/違反報告)
stwamhrsgr(プロフ) - 完結おめでとうございます！月が綺麗ですね、は夏目漱石ではなかったですか？記憶違いでしたらすみません🙏 (2022年10月29日 1時) (レス) @page21 id: bac95a7226 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Riri | 作成日時：2022年10月6日 3時
