>招待60 ページ18
ふっと意識が浮上する
自分がベットから上体を起こすと、先程のことはやはり夢だったのだと息を吐いた
妙に聞き覚えのある声、既視感のある光景
そしてその声の主である女性を殺した5人の男
今考えれば、あの男たちは...いや、全員ではないが、何処かで見た気がした
何処だ...何処で...そう思考を巡らせていると、部屋の扉が開いた
目を向けると夜露ともう一人、男が居た
誰だろうと頭を傾げていると、二人が近づいてきた
「今回は随分ぐっすりだったな
こっちは
「久しぶりだな、A」
「？？？初対面...ですよね？」
僕がそう尋ねると、二人の表情は悲しみに染まる
何かを僕は忘れてしまっているのだろうか、と記憶を漁るが、
炎雷という名も夜露という名も初めて聞く言葉だし、初めて聞く名だった
「...ま、仕方ないか。ところでA、この亜空間のこと気付いているだろうが、
俺たちではここの空間維持は難しい。
いつかは亜空間は消滅し、この場所は魔法界に降りるだろう
俺たちが必死にお前を連れ出したのは、お前が俺の唯一の妹だからだ」
「は...?僕には兄はいない。最も、僕は一人っ子だ」
「言い方を変えよう、俺は前世のお前の兄だ」
益々わからなくなってきた
前世？意味が分からない
だがこの魔法界という存在を脳内で"常識"ということに変換させた時点で
それもあり得ることなのではと割り切ってしまう僕は相当毒されていると思う
前世の兄、そういわれてもこの人のことは一切記憶にないし、
ましてや記憶もない自称兄に振り回されるのも僕としてはとても嫌だ
兄だったんだ、だから俺に付いてきてくれ。わかった、なんていう人なんてそうそう居ないだろう
「...信じないことは想定内だ
お前に救済を求める。亜空間の維持に力を貸してくれ」
亜空間の維持に力を貸すということは僕がこの空間から逃げられないようにするということ
聞いた話によると、亜空間生成は危険なことなのだとか
僕の魔力ではできる可能性もあるだろうが、危険は危険だ
もしできるのだとしても、助からなくなる可能性が格段に上がるだけだ
「嫌。嫌です」
「だと思ってた。ってなことで死なない限り魔力貰うわ」
は...と僕が言葉を漏らすより先に炎雷がふっと笑みを漏らす
「俺も夜露もお前が大事だ。だから外は危ない。誰にも、殺させない」
炎雷は僕の目を見ながらもその奥の遠い何処かを見ているようだった
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狐火＠リリ(プロフ) - Lilyさん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。ありがとうございます！そう言って頂けると頑張る気力になります！見飽きないよう最善を尽くしますので完結まで温かい目で見守って頂けると幸いです！ (2019年6月10日 2時) (
レス) id: 44e13320cd (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - 続きが気になります！更新する時間が少ないにも関わらず止まらないとは凄いと思います！ご自分のペースで更新してください！楽しみに待ってます(*^^*) (2019年5月11日 20時) (レス) id: 3d5bc7771c (このIDを非表示/違反報告)
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