イカリソウ:tntn ページ2
A「っはぁ…はぁっ…!!」
必死に走り続けて、どれくらいの時間が経っただろうか。
走り始めたときは明るかったが、今はもう真っ暗。
辺りは街頭の明かりだけが光っていた。
A「どうして、…こんなことに…!!」
ことの始まりは、数時間前。
私は、彼氏の重い愛をこれ以上は受け取れないと思い、
彼氏に別れを告げるため、公園に呼び出した。
別れを告げる前、本当にこれでいいのか、と不安になった。
しかし、これが私が必死に悩んだ決断だ。
もう、この決断を、意思を曲げることはしない。
そして、彼が、この公園に到着し、私の目の前に駆け寄ってくる。
トントン「Aっ!!俺、Aの呼び出しだったから、
張り切ってオシャレしたし、走ってきたんや!!」
目の前の彼は、確かにオシャレをしていた。
今から告げることは、そんな幸せなことじゃないのに。
目の前の彼を見て、さっきまでの意志が曲がりそうになる。
けど、もう曲げないと決めたんだ。彼に言わないと。
A「トントン、あのね…」
トントン「ん?どうしたん?」
私は、一泊おいて深呼吸をした。そして
A「別れて、ほしいの」
彼に、冷静に告げた。
これで、彼の束縛から解放される。
―はずだった。
トントン「…は?」
今までに聞いたことの無い低いドスの効いた声。
グルちゃんよりも低いんじゃないかと思うくらいの、低音。
その声には、怒りも含まれていた。
トントン「それ、本気でいっとるん?」
A「っ…本気、だよ」
一瞬怯んでしまったが、ちゃんと答えられた。
すると、その答えを聞いたトントンは、高笑いをしだした。
あの、「堕天使」と呼ばれた、高笑い。
これは、マズイ―。
トントン「俺が本当にAを逃がすと思っとるんか?
ハハハッ、甘い考えやなぁ。
俺は、Aを逃がす気は一切あらへんで?
それに、Aに権利はないしなぁ」
彼は、別れることに、反対していた。
それどころか、私に権利すら与えてくれない。
トントン「なぁ、A…?今なら、まだ間に合うで?
だから、こっちへおいで。な?」
A「…イヤっ!!」
私は近づいてくるトントンの手を払った。
トントン「イヤ…?何いっとるん…?
しゃーない、こうなったら、強制連行や。」
そう言って、彼が取り出したものは、鋭利なナイフ。
逃げなきゃ。
とっさにそう判断し、私はその場から逃げ出した。
(続きます。)
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ニット帽 - すみません、ニコニコ等です。 (2017年5月21日 16時) (
レス) id: 1f81ee284d (このIDを非表示/違反報告)
ニット帽 - はじめまして、一十四さんは“リリア”という名前で「異世界の六つ子」をニコニコで配信してらっしゃっていたんですよね？ (2017年5月21日 14時) (レス) id: 1f81ee284d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一十四 | 作成日時：2017年3月28日 20時
