さよなら、初恋 Ⅱ (ページ10)

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Side of Name

舞結「ごめん、邪魔しちゃって…」

『ううん、舞結が来てくれなかったら涙零れてた、きっと』

舞結「え…？」

『湧の想いが痛い程伝わってきて…』

舞結「…ちゃんと答え出てるじゃん」

『…え？』

舞結「…泣くぐらい好きな相手なんて1人でしょ」

『舞結…』

舞結「その前にちゃんと尚大くんとも話しなよ」

『…ありがとう、舞結』

舞結「今日は何時に迎えに来るの？9:45現場入りだったよね？」

『うん、9:00に迎えが来る』

舞結「あと1時間半あるね、服だけ着とけば何とかなる」

『…行ってくる、尚大のとこ』

舞結「ん、行ってこい」

『もし間に合わなかったら誤魔化して！』

舞結「ん！了解！」

・

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

尚大「はい…」

『尚大、話に来た』

尚大「…入ってて、お茶持ってくる」

『ううん、直ぐに出るから…』

尚大「…分かった、こっち」

『うん』

尚大「…で、話って？俺ら昨日別れたよね？」

『…うん、でもそれは尚大が一方的に言って終わりだったからきちんと話がしたいと思って』

尚大「…答え、出たんだ」

『…うん、でも先に言っておくね』

尚大「…？」

『尚大の事本当に好きだった』

尚大「…嘘つかないでってば」

『好きだったよ、…恋愛的な好きにはなれなかったけど』

尚大「…そっか、…本当に好きでいてくれたんだね」

『私の中で…恋愛的な意味で好きになれるのは、やっぱり湧しかいなかった、…ごめんなさい』

尚大「…それ聞けてスッキリした」

『…今まで幸せにしてくれてありがとう』

尚大「…こちらこそ、沢山の幸せをありがとう」

『…これからは友達でいて欲しい』

尚大「…暫くは余所余所しいかもしれないけど」

『…うん、それでもいいよ。我儘かもしれないけど尚大を失いたくないから』

尚大「…そういうとこだよ」

『え？何が？』

尚大「…何でもない、悔しいから教えてやんない」

『…急に意地悪になったね？』

尚大「もう彼女扱いやめたからね」

『…優しいのは彼女にだけ？』

尚大「友達にはこんなもんだよ」

『…そっか、これからはこうなるんだね』

尚大「まあね、…時間大丈夫？」

『え？あ、もう行かないと！じゃあね！』

尚大「うん、…バイバイ、A」