キスして、抱きしめて。 (ページ14)

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『紫耀が言ったの？』

だとしたら、なんで？言わないで欲しかったよ…

「ちゃんと俺がはっきりと言わないとダメだったんだよな…」

なにを？もう頭うまく働かない

「好きなんだ」

誰が？わけがわかなくて涙が勝手に落ちていく

「お前が好きだ」

え？今…なんて？聞き間違い？

「ちゃんと伝わってると思ってた。その…あれだけの事してる訳だし…俺の気持ちは伝わってる上で、スルーされてると思ってたんだよ」

『ま、愛美ちゃんの事が好きなんじゃないの？』

「はあ？」

『キスしたんでしょ？』

「はぁ！してねーよ！危なかったけど…」

『なにそれっ、ううっ』

もう訳がわからなくて涙でグシャグシャだ

「だから！なんつーか、せ、迫れて、ごめんってつって、泣かれて…そんで…だあーーもう！とにかく！キスもしてねーし、俺が好きなのはAだから！！」

『わ、わたしだって…ゆうたっのことっ』

ちゃん好きだと伝えたいのに無理だった

「泣くなって」

そんな事言ったって、どうしたって涙がでる

「困るよ、泣かないで」

『…優太のせいなんだから、慰めてよ…』

優太の長い指が私の涙をすくう

「もう、ぜったい他の男には触らせない」

優太の瞳がかすかに潤む

『…好き』

「お、おう」

忙しなく優太の瞳が動きだす

「帰るぞ！！」

そう言ってぶっきらぼうに私の手をとると

そのまま手を繋いで家まで送ってくれた