キスして、抱きしめて。 (ページ1)

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私は優太の事が好き

優太は私の事が好きじゃない

なのに

私達は一線を越えた

私は優太の事が好き

優太は私とは別の人が好き

だから、私達の関係はバイト仲間でただの友達でそれ以上でもそれ以下でもなかったはずなのに

優太がフラれたとか言って
強くもないのにお酒飲んで
私の前で弱さを見せるから

『慰めてあげよっか？』

とか、言って優太の頬っぺたにそっと手を伸ばした

一瞬、おどろいたように大きく見開いた目が距離を詰めるとゆっくりと閉じていく

何度も夢みた、この瞬間

優太の唇に触れた、あの瞬間

泣きたいくらい嬉しかったけど

翌朝の優太のバツの悪そうな、申し訳なさそうな顔･･･泣きたいくらい悲しかった

だけど

平気な顔してこう言ったの

『そんな申し訳なさそうな顔しなくても大丈夫だって！また寂しい時はいつでも相手するし？』

優太が思ってるほど大した事じゃないと
強がったの

今までの友達って関係も失いたくない

だけど、またただの友達には見せない優太の顔がみたい

一線をこえて私の優太への想いはますます
強くなり

苦しくなる時もあるけど

優太と繋がってる一時はまるで恋人に
なれたみたいな気持ちなるから

私はまたなんでもないふうに
強がる

私は優太の事が好き
優太は私の事を好きではない

だから、一線を越えたとしても私達は
そういう事もする友達のまま