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自転車を一生懸命こぎながら
「ごめんな！」
って岸くんが謝ってくる
何に対しての謝罪が全くわからない。
謝るのは寧ろこっちのほうだ
『いや、なんで岸くんが謝るの？』
「ん？やーー、やっぱり紫耀に送って欲しかっただろ？｣
あ……そういう事か……
『んー。しかたないよ……平野くんは私達の事周りに知られたくないみたいだし…』
再び私の中にネガティブな思考が湧いてくる
私が茉莉花ちゃんだったら、茉莉花ちゃんみたいな子だったら、平野くんは……
「岸本？」
心配そうな顔して岸くんが振り返った
『やっぱりさ……私みたいな目立たないのと付き合ってるとか言いたくないよねー』
岸くんが困るのわかってて、つい出てしまった自虐の言葉
「紫耀から何も聞いてないの？｣
『え？』
「理由！岸本の事ないしょにしておきたい理由」
自転車はもうすぐであの角にさしかかる
『岸くん、降りるよ。この角曲った坂の上が私の家なんだ』
「大丈夫！いける！！」
そう言って力強くペダルを踏む
途中から立ち上がって一生懸命漕いでくれた
「だーーーーっ！！無理だっ」
あと少しの所で降りてしまった自転車
「あーあとちょっとだったのに……悔しいな！」
『いや、この坂を2人乗りで登りきるなんて、ほとんどの人無理だから』
「……でも、紫耀はいけたでしょ？」
『え？あぁ……うん』
「はっ……やっぱ悔しい……」
Tシャツを引っ張りあげて、汗を拭う
「さっきの話さ……」
自転車を押しながら岸くんが話しだす
「俺から話していいのかわかんねーけど、紫耀さ中学の頃付き合った子がいたの。で、付き合ってるってのが周りにわかるじゃん？したらその子、色々言われたみたいなんだよね…」
そうなんだ…
「で、紫耀と付き合ってるのは辛いって結局別れる事になって…繰り返したくないんだよ。岸本の事守りたいんだって、思うよ。」
そっか…
思わず滲んでしまった涙を指先でぬぐう
「そーいう事はさ？ちゃんと紫耀に聞きな？まーちゃんと言わないあいつもわりぃよなー」
「でも、どーしても紫耀に聞けなかったり、言えない事は、なんでも聞くから。いつでも聞くから…な！」
そう言って笑う顔
やっぱり岸くんは優しい
『ありがとう。気をつけて帰ってね』
「おう！」
「あ！あのさっ…」
自転車に跨った岸くんが振り返って私の顔をみる
「いや、やっぱなんでもない！じゃっ！」
そう言って夜の坂道を下っていった
続く (更新停止中)
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Riri(プロフ) - あさひさん» あさひさーん！ありがとうございます！コメントめっちゃ嬉しいです。すでに一目惚れですか！！あのフェイスですもんしかたありませんね。 (2019年12月9日 7時) (
レス) id: 0b07168624 (このIDを非表示/違反報告)
あさひ(プロフ) - Ririさん！新作ありがとうございます！わーDK岸くん！！！すでに一目惚れしました！！！またコメ欄荒らすかもです…最初に謝っときます、さっせん！ (2019年12月8日 21時) (レス) id: ab63e884ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Riri | 作成日時：2019年12月8日 12時
